このレビューはネタバレを含みます▼
大学進学で、縁もゆかりもない、友達も知人もいない土地に行った時のことを思い出しました。初めての一人暮らし、自分以外の気配がしない部屋で、心細くて寂しくて涙で枕を濡らしたなーと。すぐに友達ができてサークルにも入って、そんな寂しさはなりを潜めましたが、一人は苦手だったようで、友達の家を泊まり歩いていました。日本でもそんななのに、異国で言葉も通じづらくて、差別的なことも受けて、食べ物も合わなくて・・、病みますね・・。そんなときに、同郷の人に会ったりしたら、おかしなテンションになりますよ。間違いない。それが恋かどうかなんて構う隙もなかったのが、太田ですね。正直、口に入れたときは、衝撃でした。あのとき、太田にとって、ソレは、”入れるためのモノ”でしかなかったなと。それくらい切羽詰まるものが伝わってきて、少し怖かったです。あぁ、ホームシック恐るべし・・・。この作者さんの目の付け所と、掘り下げ方が好きです。日本に一時帰国のとき、同じような不安を抱きながらも、お互いにかけがえのない存在だと確かめ合うことができて、良かったです!(追記:体がとけてひとつに~って言うのを見つけて、「あ!これ!」ってなりましたよ~)
そして!そして!現地レポートや京王線のリサーチや作家さんの作話症などなど、本当に脱帽ですー!作品読むのと同じくらい、フォローさんたちのレビューを読ませてもらうのが、楽しみなのです。いつもありがとうございます!