スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-B
永井三郎
このレビューはネタバレを含みます▼
SIDE-Aの続編です。少年に性的興奮を覚え、三島を犯そうとした柳田の闇、夢野の男の体(同性)への拒否反応、町の人たちの性的マイノリティへの偏見と噂、性的嗜好に対する桐野の母の拒絶、どれもリアリティがあって胸が苦しくなります。その痛みと苦しさを受け止めながら、それぞれの決断をしていく中学生の3人。痛々しくありながら、強さを感じます。1年以上悩み考え、三島に気持ちを伝えた夢野、大人になってしっかりと前を見据えて「三島太志」として生きる三島、そして、家庭をもち、家族とともに笑顔で暮らす桐野の澄んだ目、再読でも涙ダダ漏れです。SIDE-Aのレビューでも書きましたが、本当におススメの作品です。そして、スピンオフの主となる柳田の番外編を読んで、作者さんは、柳田のスピンオフを描くことを当初から想定していたのだろうかと考えました。そうであっても、そうでなくても、柳田に焦点を当てるってすごいなって思ったのです。(スピンオフは未完です)
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