ロマンティック
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ロマンティック

西田ヒガシ

西田先生の最新作

ネタバレ
2021年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 西田先生の最新作。表紙からかっこいいです。ページをめくると第1話の扉絵にもドキドキしました。ジョン、君は見る派なんだなと…。
読み終わって…あ、終わった?と最初は思いましたが最終話が0話だったので、始まりの「始まり」なのかな、と思いました。その0話からまた読み始めると、物語の雰囲気がガラッと変わる様に思います。 マエダさんの自我そのものだった特殊な力。いつかその力で世界を変えると信じていたマエダさんは、ジョンの人生を変えた様に思いました…。0話、内戦を過ごした時間、マエダさんが見た夢、がエピローグでも良いし、メインストーリーそのものが、違う国で違う価値観を持った2人が見た同じ夢だとしても…それでもジョンとマエダさんは最後、同じ国で同じ時間を過ごしている。どちらの解釈も「ロマンティック」な西田先生らしい人間愛の詰まったお話でした。
内戦から帰ってきた人とハグをした事があります。観光バスから降りてきたその人は、姿が見える位までは普通でしたが、顔がはっきりと見える位になると、光で反射する虹彩の部分が(瞳)、いぶし銀の様な鈍い光り方で、一瞬 怖くて止まってしまったのを思い出します。その世界に身を置きたいと言ったジョン…連れて行ってくれと言ったマエダさん。人生て本当、複雑だな…とため息でした。とても良かったです。
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