フォロー

58

フォロワー

65

総レビュー数

12

いいねGET

251

いいね

8795

レビュー

今月(4月1日~4月30日)

レビュー数0

いいねGET5

シーモア島
ベストアンサー1件
いいね2件
投稿レビュー
  • αの花嫁 共鳴恋情 【コミックス版】

    岩本薫/幸村佳苗

    ベルベットローズの赤と2人。美しい✨
    ネタバレ
    2022年6月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2年程前、ネットで見かけた幸村先生の理玖の絵。学生時代に読んだ先生の同人誌を思い出して(…記憶違いかも知れませんが)変わらず綺麗な絵に懐かしくなり単話を試し読み。まさかまたBL作品を読み始めてしまう程はまるなんて…と。この1、2巻を読みながらその2年を振り返っていました。
    忘れられないのが2年前の年の瀬、たぶん彩斗の告白と理玖が…の所で”続く”。こんな終わり方でどう年を越せと😩と苦しくて、単話の作品レビューを見たら皆さん、続きをー💦と。あ、仲間がいる😩と慰められました。初めて作品レビューで癒されたのもこの作品の様に思います。またその年明けには、出版社からの単話配信はなくなる…のお知らせに、続きはどうなってしまうんだろうとハラハラ。配信は続きます…のレビューに安心をもらいました。(本当にありがたかった)
    数ヶ月ごとの単話配信と作品レビューを楽しんで、を繰り返していると、その次は皆さん、圭騎さん脱いでーの言葉が…。脱ぐのもBL作品では楽しみの一つなんだなと思ったら、それからはいつ脱ぐんだろうと。(なかなか脱がないんですよね、圭騎さん😩)ある月の単話配信(2巻にあたります)床に落ちたスーツとネクタイのコマ。(あれ程ドキドキした事は未だかつて無かった😩)そして次のページ…。もう。もう、本当に、ラオウの再降臨かッ💦と拝みました😩 その後作品レビューを見たら皆さん、脱いだーー!と叫んでられた。うんうん脱いだね、と涙が出そうになりました😩

    濃厚な情事描写に慣れてくると、1巻の2人は発情しての情事、2巻になると想い合って…になっているなと。何かこう…エロいんだけどエロさだけじゃないなと。その境目は、濡れた髪を拭いてもらう理玖のコマ。その前後のセリフのないコマに、圭騎さんの理玖への想いが瞳に宿っているなと(私が1番好きなシーンです)そんなコマの数々、感情を表さない圭騎さんの表情が出ているなと感じました。
    あの綺麗な”くぱぁ”の理玖の前のコマも、αとして屈辱を感じている?と思ったり。だからか理玖の求め方は…何と言うか性的ないやらしさが無いなと。初めての恋愛とΩ性の欲求に戸惑っている姿も可愛いです。だからか最後は美しいと思うのかもしれない。

    3巻…最高です💦 帝王じゃない普段の圭騎さんを知れて良かった。

    追…せ、制服でまさかの再会…読者への玉手箱!全てが詰まってました(涙)有難う御座いました😩
  • 蟷螂の檻

    彩景でりこ

    最終巻、ありがとうございました😩。
    ネタバレ
    2022年3月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 襖の向こう側で、育郎さんが犯されている。その様子を耳にしながら覗くでもなく、膝を崩さず正座してジッとしている典彦さん。その上奥方をその場に呼び付け、育郎さんが家業の為に犠牲になっている所を確認させる。…そのシーンに典彦さん含めた父親からの、二代に渡って仕えてきた當間家歴代当主に対する怒り…當間家の業の様なものを感じました。それは代々当主が作ってきた闇の様なものなのかなと。。それを本家最後の当主 育郎さんが一心に受けている。きっと典彦さんの父親も同じ様に正座し、育郎さんの母親が先代当主とその政治家から犯されている様子を覗くでもなくジッと耳にして過ごしていたんだろうなと思うと、何となく典彦さんという人格もまた、當間家が作り出した業のひとつなのかなと、そのシーンで感じました

    個人的にですが、そんな描写こそがBLじゃないかと😩感動してしまいます。とても芸術的で美しいなと。もしあのシーンで典彦さんが興奮して中の様子を覗いたら…それではただのエロになってしまう訳で。ジッと正座している彼を育郎さんも襖の反対側で感じていて、助けを求めるでもなく犯されている。それが女性ではなく美しい青年だからこそ耽美で、その図に純文学の様な尊さを感じました。…女とは取り引きできんよ、の捨て台詞…昭和😩

    「蟷螂の檻」はフォローしている方々のレビューすら見れず、真っ白な状態からではないと読めない作品の1つでした。読み終わって作品レビューを眺めていると、26話の雑誌掲載と書籍掲載の内容を比べたレビューを拝見しました。何処となく2人のあの終わり方が喉につかえていた私は、雑誌掲載版も読みました(onBLUE vol.52)もう…😩 私は雑誌も含めてが26話かなと。雑誌の方を読んで、始めて2人が愛し合っていると感じました…泣 育郎さんの「こんな気持ちで…」の言葉がもう、大泣きでした

    死を他人に託す事が出来た育郎さんは、愛されていたなと。典彦さんに自死はなく、ひとり歳を重ねながら生ていくのかなと。そうして感じる全ての情は、愛していると育郎さんを想い、それは彼の生涯を通して続く事なのかなと…最後はそんな風に感じました。実母が最期居た医療施設に最後に2人。典彦さんは満たされたと思います。

    あの作品レビューがなければ、雑誌版を知る事が無かったかと思うと、本当に感謝です✨
  • モノトーン・ブルー

    ながべ

    シッポが全てを伝えている様でした
    ネタバレ
    2022年2月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「とつくにの少女」で知った作者さま。BL作品もあったんですね…。
    トカゲのアオイ君を見ていたら、昔実家の浴室に居たヤモリと見つめ合ってたなと、そんな事を思い出しました。そんな爬虫、哺乳類がもし、作中 学者ニャーウィンによる所の進化によって人の様な生活をしていたら…の物語。ハチ君とアオイ君2人の尻尾に尊さ感じ、読んでみました。

    犬や猫はモノトーンに近い世界で生きていますが、猫のハチは犬の様な生き方ではないので犬先生からも怠け者、と思われています。そんな動物達の中に転入して来た爬虫類のアオイ君。ハチだけが見つけたアオイ君のその時期だけの特別な青い色。そのシーンは学生らしい青春で素敵でした。

    アオイ君のあの瞳はヤモリと見つめ合っていた時も思いましたが、ジッと見つめられている感なんですね。爬虫類独特の大きな瞳だからか、顔が小さく可愛いんですよ。おまけにトカゲは正面から見たらほっそい😩ー尻尾シャツのシャツシワもどこか卑猥で、そこにBLな美少年さを感じ、そんな艶やかなトカゲのアオイ君は萌えでした。

    「何故僕は、みんなと同じじゃないのか…」と辛い経験をしたアオイ君の苦しみ。それでもやってくる毎日に、もしアオイ君の言うみんなの側になる時が自分もあるのだと気付いたら…。その時、きっとその”みんな”とは違う行動をアオイ君はとるんだよ、と。今、君を抱きしめているハチみたいに…と。そんな風に読みながら大丈夫大丈夫、とアオイ君を応援していました。

    最後、猫の首噛みの意味する所はー…。
    マウンティングか性行為時に噛むとの事。BLですので希望はやっぱり後者でーと思うと、噛まれたアオイ君がその治りかけの傷跡の皮が剥がれるのを、”脱皮”(大人になる為の過程)と言う。それがもう…😩これはある意味、情事と同意では…?とドキドキしました。そんなモノトーンの恋物語、(4色色覚だとしたらアオイ君は虹色)ため息が出るほど良かったです。
  • きみは僕に愛を突き刺す【完全版】

    紅井採乃

    苦しみ悲しみは、1人ではどうにもならない
    ネタバレ
    2022年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 誰かに助けを求めないと、どうにも乗り越えられないものってあるんだな…と悟らされた作品です。
    新刊発売の作品の中に、この作品の続きがあると知ってとても嬉しく、本当に?と何度も確認してしまいました。

    作品の続きをまた読み始めて、主人公の苦しみやそれにもがく姿、差し伸べられた手に思わず縋る描写に共感しました。傷付いた心は癒やされたかに感じても以前の心に戻る事はなく、ずっとそれを抱えて生きていく…どうにもならない不安感に突然襲われ、パタパタして、いてもたってもいられずいつもの自分ではない自分を見せてしまう主人公。
    そんなどうする事もできない、ままならないものが人生にはあるよ、と言っている様な物語。主人公以外の登場人物すべてにも、そのもがく姿があって…それぞれが主役級の深く重いお話でした。

    古い絵や描写なので、嫌厭する方もいるかな?と思いますが、ですが何ていうのかな…。昭和からの作家さんて、選ぶ言葉が詩的というのか。(例えが古いですが、「王家の紋章」の冒頭。おぉ…ナイルよ…みたいな)主人公の気持ちをオリジナルの詩にされて表現したり、そのインスピレーションとなった歌詞や俳優の台詞を使って、今、彼がどんな感情に包まれていてるのか…そんな描写をされている。(詳しくは分かりませんが、何となく象徴主義と表現主義が混ざり合った様な表現というのか…。「あっ!」と言わせて始まる情事に必ず主人公の手が謎に上がる、そこに集中線!みたいな…)
    端折ってますが、シリーズ3の最終話。主人公の言葉が刺さりました。。
    毎日あの日を想う 硬く冷たくなっていく君 僕の「愛」が失われた日
    “memento mori”(羅:死を憶え)
    僕は毎日「死」を想う 僕が死ぬその日まで 少しの間お別れを 君の許に辿り着くまで
    ー君は それを僕にくれると言うの? 君は僕に愛を突き刺さすー
    …この最後の突き刺さす愛は、「死」と同意なのかなと。 1ページ全文のその言葉は、何か映画のエンドロールを観ている様で…その世代の作品に慣れ親しんだ私には、涙涙の物語でした。シリーズ4も待ってます!!編集部さまー祈
  • 恋愛をしてもセックスをしても、すべて虚しい少年のためのポルノグラフィティ

    小野塚カホリ

    BLジャンルだからかとても尊さを感じました
    ネタバレ
    2021年8月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ (読み放から)小野塚先生の短編集。 表題作「ロマン対像」主人公は少年 零ニ、彼の想い人で同級生の中村丈陽、その父親(彼にとっても片想いだったかつての同級生の息子が零ニ)のお話。
    物語の台詞をその通り読めば、告白すら出来なかった中年ロリのお話だと嫌悪するかな…と感じました。(評価も低めですし…)ただ2人の年齢をそれぞれ見ると、ちょうど思春期と更年期になるのかな?…と。それは必ず通らなければならない人生の、何かもう一度生まれ変わるくらいの様なもので、思考も生き方も変えさせられる苦しみが伴なうものの様に思います。物語の最後に見せられるそんな2人の情事。…零ニにとっては少年というものに終わりを告げ大人になる為の行為。丈陽の父親にとっては、今までの人生を振り返ると同時に肉体的な衰えも感じ、いずれは不自由な日常と死というものが来るんだ…という老人になる覚悟を決める為の行為…。
    そんな父親にとっても、想い人に瓜二つの顔をした零ニにとっても、その期間を通過する為には互いが必要で…。描写は普通の情事でしたが、そんな事を思いながら読むと2人のそれはまるで儀式の様で…。生を貪る様なイン靡(インビ)な情事だな…と感じました。(インの字が使えない…💦)「好きだ、中村…」とやっと零ニが自分の気持ちを言葉に出来た時…「待っていたよ」とその言葉の感情と熱量を、中年期男性は通過する為に食した様に感じました。( エロい…😩 )恋人とか…互いの幸せな未来…等と感じる関係性とは違う、その期間だけの関係性。それは零ニにとっては瞬きくらいの一瞬かもしれず、社会人になったら新しい記憶に埋もれてしまうぐらい、小さな事なのかもしれない…。だけどいつかこの同級生の父親が亡くなった…と耳にした時、零ニは何を思うのかな…と想像すると、とてもエロかったです。きっと胸に広がる焼印の様な情事を思い出すのかな…と。若さをキラキラと感じ始めた中年期の人間がする行為は、だからか逆に人間臭いな…と思ったりしました。
    初めて読んだ作者様の作品、凄く良かったです。学生時代はこれより少し前…なので、似たジャンルだと魚喃キリコ先生の作品を読んだり。(電子化されてないのが残念) 岡崎京子先生の与えた影響の凄さもまた感じながら読んでいました。他短編…「黄金と薔薇」の最後…電話で語らうそれぞれの笑顔が、淋しく幸せそうで…何とも言えず切なかったです。
  • ジェラシー[コミックス版]

    スカーレット・ベリ子

    ベリ子先生…ありがとう。
    ネタバレ
    2021年8月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻…購入してもなかなか読めずにいました。分冊版では新幹線で2人、手を繋いでいるシーンで終わりだったのですが…その後のエピソードと、あとがきを読まないと自分の中では終われないなと。
    レビューを先に拝見させてもらったら、感謝の言葉とか作品への想いの言葉にあぁ…と共感して よし、読もうと思いました。

    「ジェラシー」の途中までを先に読んだので、「四代目〜」「みのりの手」と読み進むうちに、浅生田さんが当然の様に辰之さんの隣にいるのを見ては、赤ちゃんの辰之さんを卯一が必死に守ったのを思い出してしまって、苦しかったです。そして彼のした証券会社への電話にも、それすらも許せないの?浅生田さん、と。 (その証券会社の男性が、望くんのパパだったんですね😩感謝!)
    ただ最終話あとのエピソードで、浅生田さんが会長を東京駅で待っていたその服が下ろしたての上着だったのと、「おまえも結局好き」という鮨屋でのコマを見て、あぁ…浅生田さん、今でも卯一の事が好きなの?…と。やっと私は気付けて、自分の中の浅生田さんへのモヤモヤがようやく晴れました。よく見たら卯一も浅生田さんも子育てしてる所とか、求めてた事が似ていたのかな…と。

    あと、麻巳さん。女性に惚れる、てあまり無いのですが麻巳さんには惚れました。お葬式後に明虎さんを卯一の所に行かせたあの気持ちの切り替え方が、かっこ良かった。
    気持ちでは納得してなくても、頭ではこうしたらベストだから…と吹っ切った麻巳さん。感情は何処かにやって、ただ体を動かして淡々とやるべき事をこなしてやっていく。 …女性がこうする時て結構あるんじゃないかな?と思うのですが、(特に麻巳さんみたいに甘え下手なしっかりした女性は…)彼女の最期を語った明虎さんのシーンを見て、ああ、良かった、母親でも妻でもなく1人の女性として最愛の人の腕の中だったんだ、と。女性として最期は甘えられたのかな、と思って涙目に…。

    最後…明虎さん…腰。昔テレビで樹木希林さんが、「腰をやったら男は終わりね」と鈴木敏夫さんに言っていたのを思い出しました。頑張れ、明虎さん!卯一と幸せに! 卯一、ようやく…😩本当に良かったね。
  • 憂鬱な朝 NOBLE COLORS

    日高ショーコ

    購入して本当に良かったです。
    ネタバレ
    2021年6月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 一年ほど悩んでいました…。本音を言えば、電子書籍ではなく、書籍で欲しかった。豪華な表紙とか裏表紙とか、実際に手で触ったりして…。ただこの状況…待つよりは先に電子で読んでおこうと、そう思って購入しました。

    読み終わって…本当に読んで良かった。購入して本当に良かったと思いました。 暁人さんと桂木さんをやっと最後まで見届けられた…。ようやく自分の中で「憂鬱な朝」を完結する事ができました…。
    今振り返ってもため息しか出ませんが…最終巻までこの作品を一読してからは、読み返したりする事が出来なかったんですね…。何というか、桂木さんにやられてしまって疲れてしまう…というのか。(あのツンとした視線に萌え過ぎて…。)スーツを脱いだらフンドシなんですよ…桂木さん。違うシーンでは素っ裸でフンドシを巻いてるんですよ…それも片方を口にくるくると…😩 日舞の様な色香で…(手ぬぐいですかそれ…) 今まで自分のなかで読んできたBL作品の中で、下着を着ける姿にこれほどの美しさを感じたのは、桂木さんだけです…💦

    はぁーーーーー、桂木さん…。育てているつもりはなかったのに、当主として子爵としても、立派に育った暁人さん…。歳の差11…😩。他の作品レビューでも書かれていた、イギリス留学から帰国直後の2人の様子…。読めて感謝でした…💦。2人が見つめ合っている…本当に。ただそれだけで読んでいる私も幸せな気分になりました…。(他…インタビュー記事や、CD化のインタビューなどなど…)こちらも何度も読み返すだろうな…と思うくらい楽しかったです。最後は電子化に感謝でした。
  • ベルセルク

    三浦建太郎

    ありがとうございました。
    2021年5月22日
    青春時代を支えてもらった作者様の訃報を知って、ニュースサイトで先生のガッツを見るたびに、心が苦しくなります。他のレビューでも仰ってましたが、未完の大作なのですかね…本当に…。そこが悲しくてなりません。
    「ベルセルク」という作品を知って、ファンタジーではありますが、それまで持っていた西洋のイメージがガラッと変わりました。教会とは…ムンクに領主…そこにいる民…。前線の側には売○業のテントがあって…。みんな必死に生きてました。そして実際に自分も社会に出てヨーロッパに住まないといけない数年の時に、その町で実際に見た○○カンの聖職者や時が止まったかの様に神に仕えている聖職者たちを見て、1番最初に思い出したのが先生の「ベルセルク」でした。その場は神聖でもあったし彼らも神聖ではあったと思いますが、ガッツの様な温かさはありませんでした。(まだスーパーでレジを譲った時に、神の御加護を…と言ってくれた老人の方に愛を感じました。)
    まだ物語は終わっていない、と何となく知っていました。…いつか完結したら、またいちから一気に読もうと軽く思っていました…。なのでまさか、こんな結末になるなんて…。ベルセルクの世界観…それが広がる先生の描写が本当に凄くて、読んでいると周りの音が無くなって、その世界に入り込むほどでした。本当に、本当に残念です。
  • 夜明けのブルース

    羽生山へび子

    評価なんて、と思ってしまうくらい良かった
    2021年5月7日
    レビューを拝見して、面白そうと思っていた作者さま。作品レビューも拝見していくうちに、あぁ…と。(惜しまられているレビューもあって…)哀しい気持ちになりました。

    …こんなにも切なくて、毎ページで笑わせてもらって、描写にオリジナルティがあって、色気のあるキャラたちがいて、はぁー…凄い作者さまだなぁ…と、でももう新作は見れないという事実がまた、哀しくて…。(はぁー…すみません…。)

    購入する前に見た表紙のイメージと、読んだ後のイメージがこんなにも違う作品もまた、初めてでした。個人の好みもあると思いますが、読み出したら止まりませんでした…。作者さまの作品を追って読んでいきたいな、と思います。
  • 白の無言

    大竹直子

    「しのぶれど」から追って。
    ネタバレ
    2021年3月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高橋,桐島の終わり方は、背後から頭を殴られた様な衝撃でした。作者様の後書きで担当者の「高橋,桐島はBLではなく男色」のコメントを見て、いつの間にか自分は「フランダースの犬」はオリジナル版が好きだったのに、ハリウッド版の様な作品を好んでいたな、と気付きました。思い出すと、今も心に残っている作品の作者様は、優しい完結ではなく、描き切っていたな、と…。
    「しのぶれど」から読んでいて疑問に思っていたことは、成績優秀の桐島がなぜ当時エリートと言われていた海軍ではなく陸軍を選んだのか でした。この作品を読んでやっと納得。よく考えたら桐島は眼鏡でしたね…。「風立ちぬ」の解説でもある様に眼鏡をかける必要のある男子は健康体とは言えず、とても肩身の狭い思いをしたと…。それにつけ肺を患った少年期。父親の後押しがないと、陸軍士官学校にも入学出来なかったんだなと、不遇な始まりが桐島にはあったんだなと思いました。
    兄を追って軍人の道へ進んだ桐島。その兄が日露戦争の経験からPTSDの様な怒りを弟である桐島にぶつける。「しのぶれど」で、高橋が揶揄われて襲われそうになった時、「便所が近くなるぞ」と言った桐島の言葉の裏が、まさかここで繋がるなんて…💦高橋はずっとそんな彼を、芸者である母の影響だと思っていたのに…。
    最後に落ち着いて桐島の人生を振り返ると、きっともうある程度の頃から覚悟を決めていたんだろうなと思いました。将校の宴席に呼ばれたら、身体の準備までして行っていたんだろうなと。それが稚児制度の残る軍人の道を自分の人生の道として選んだ桐島の人生だったんだな、と…。それはある意味、男色でも衆道の方に思っていたんでしょうかね…😩
    高橋の想い対する返答は、彼が残した軍刀で自○した、そこに尽きるんだろうなと思いました。例え桐島が二.二六事件を生き残ったとしても、殆どの将校はその後 前線送りにされたので、作者様は最初から桐島には短い生涯を描かれていたのかな…。「聖セバスチャン」が冒頭から結末まで出ていましたが、作者様の描いた耽美な世界、ハピエンBLばかりを読んでいた自分にはかなりのショックで、良い意味でこの世界観が好きになったきっかけを思い出させてくれた物語でした。高橋はきっと戦争を生き抜き、戦後は家庭を持ったんでしょうね…。それが戦前の価値観を持った男性なんだろうなと思いました。
  • ロマンティック

    西田ヒガシ

    西田先生の最新作
    ネタバレ
    2021年3月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 西田先生の最新作。表紙からかっこいいです。ページをめくると第1話の扉絵にもドキドキしました。ジョン、君は見る派なんだなと…。
    読み終わって…あ、終わった?と最初は思いましたが最終話が0話だったので、始まりの「始まり」なのかな、と思いました。その0話からまた読み始めると、物語の雰囲気がガラッと変わる様に思います。 マエダさんの自我そのものだった特殊な力。いつかその力で世界を変えると信じていたマエダさんは、ジョンの人生を変えた様に思いました…。0話、内戦を過ごした時間、マエダさんが見た夢、がエピローグでも良いし、メインストーリーそのものが、違う国で違う価値観を持った2人が見た同じ夢だとしても…それでもジョンとマエダさんは最後、同じ国で同じ時間を過ごしている。どちらの解釈も「ロマンティック」な西田先生らしい人間愛の詰まったお話でした。
    内戦から帰ってきた人とハグをした事があります。観光バスから降りてきたその人は、姿が見える位までは普通でしたが、顔がはっきりと見える位になると、光で反射する虹彩の部分が(瞳)、いぶし銀の様な鈍い光り方で、一瞬 怖くて止まってしまったのを思い出します。その世界に身を置きたいと言ったジョン…連れて行ってくれと言ったマエダさん。人生て本当、複雑だな…とため息でした。とても良かったです。
  • しのぶれど

    大竹直子

    ドナルド キーンさんを思う。
    2021年2月28日
    (読み放題からです。)作中時代の日本軍人が出てくるものや それを美しく描いた作品を世に出すのは、今の時代、難しくなっていると思います。特に海外では…。だけど水木しげる先生の作品の中で出てくる人たちだけが、あの時代の軍人ではなかった訳で、良い面もあったと思っています。
    父は高官で母は華族出の高橋、将校軍人の父と母が芸者の桐島。互いの想いを句に載せて表現する作者様。その描写に、故ドナルド キーンさんを思い出しました。彼は戦時中、情報部隊の一員として沢山の旧帝国軍人の辞世の句に触れて(遺品です)その教養の高さに心を打たれて戦後は日本文化の研究者となり、東北の震災後には帰化されました。旧日本軍人、というと一般的なイメージは良くありませんが、きっとこの作中の高橋、桐島の様に本当に純粋に国、故郷、友を思う(そこが、私には耽美なのですが…)青年たちがいた世界があったと、同じ日本人としては思いたいなと思った作品でした。桐島の三味線を弾く姿の艶やかな事…ため息が出ました。良い作品でした。