君にくるまって、【電子限定特典付】
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君にくるまって、【電子限定特典付】

桃子すいか

ぬいと胸キュンと幸せが溢れる物語

ネタバレ
2021年3月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで新刊です。短編集良作「8月のロスタイム」、エモの極地中学生の逃避行を描いた「雨だれの頃」どちらも大好きな作品でこの新作も期待して読みました。上に何か着てて下がパンイチでイチャイチャっていう表紙だけでキュンキュンします!
偶然ですが直前に読んだ別作者さんの学生運動最中の恋を描いた「花に嵐」の舞台と同じモデルの大学寮。「君にくるまって」は現代のお話。たくさんの軽いダンボール箱を引越し荷物にバックパックを背負って古くてギシギシいう大学寮へ入寮してきた伊織。イケメンだけど人嫌いでほとんど話さない。ある時、寮の隣部屋に住むアメリカで育ったアキが伊織の部屋を訪ねたら、そこにはぬいぐるみで部屋いっぱい埋め尽くされていて。。。
大学寮の友達がみんな特徴あっていい奴ばかり。アキが適度な距離を取りながら少しずつ伊織に近づいていくところがすっごく良い。私もぬいはけっこう家にいて、ブラック企業に勤めて病んでた頃はぬいを連れて職場へ行ってたことあるので、伊織の気持ちすごくわかります。自分を全て認めてくれてここだけは大丈夫っていう場所や存在が必要なんですよね。伊織にとってアキがそういう存在になったのがとてもよくわかるラスト。幸せが溢れます。
あと特筆すべきは、最近のエチエロ重視のBL界において、今まで描写はあれども踏み込まなかった桃子先生。ところがこの作品は先生史上初の修正が入るんですよー。これは快挙!BLにしては物足りないとのレビューもありましたが、先生にしてはがんばったんです!褒めてあげてくださいー。
表紙から最後のページ、カバー裏まで丁寧に描かれた胸キュンと幸せが溢れる読後感最高の物語。とってもオススメです!
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