このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんです。ノンセクシャルの話を読むのは初めての事で、読後の思いを何から書けばいいのか非常に難しいです。マイノリティの問題はとてもデリケートです。喫煙に関してですが、唐木田が言った「少数派が何故、遠慮しなければいけない」という指摘が刺さりました。そうなんですよね。その言葉はあらゆる事にかかる気がしました。一見、無神経なように見える唐木田ですが、ちゃんと一騎の事を理解しているんだと思います。『いっきくんは性別いっきくん』に泣かされました。すごく胸に響く言葉でした。もしかしたら性別を分ける事に違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれませんが、あの言葉が一騎の全てを受け止めた気がします。彼の生き方が肯定されたように思えました。だから一騎にはノンセクは欠陥品だなんて思わないで欲しい。唐木田に対する申し訳ない気持ちだとか、罪悪感なんてみたいなものは捨て去って欲しいですね。ちゃんと一騎は自分にも、唐木田にも向き合ってるし、気持ちに答えようとしてるんだから…ゆっくりと二人で足並み揃えて歩んで行けると思います。深い愛情物語です。感動が過ぎると言葉を探すのに苦労しますが、読んで良かったし読んで欲しい作品です。