BASARA
」のレビュー

BASARA

田村由美

様々な壮絶な人生に涙

ネタバレ
2021年3月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ネタバレとなりますので、ご注意下さい。
ただいま、職場で懐かしの漫画ブームが沸き起こっています。そしてBASARAの無料版に歓喜!3月6日日まで4巻無料となっています。懐かしい~。親の敵と知らず、恋に落ちた更紗と朱里の悲恋に胸を痛めた若かりし頃の記憶。
リアルタイムで読んでいた当時、強烈なインパクトの四道の死。朱里と更紗の恋に気づき、剣を立てる事をためらった四道。朱里への思いを馳せ、断末魔の叫びに号泣しました。そして何より、千手への最期の想い。「わたしの死が彼女に優しく伝わればいいけど」この台詞。嘘みたいに今でも丸々記憶に残っていて、自分でも驚きました。もう涙しかありません。それほど四道の死は強烈でした。
そして、五十路になってからの再読。この大作を読むには年をとりすぎたのでしょうか…あまりにも何の罪もない善意の人々の命が奪われる事が辛く、読み進める手が何度も止まりました。それでも、どこかに希望が見えて行くに違いない、何処かに一筋の光が差し込む事を信じて読み進めて行きました。
腐った国を叩き潰し、奴隷も階級もない民衆のための新たな国を目指して、敵同士で、恋仲同士の二人の血を吐くような想いに涙が溢れます。どうやってこの話を着地させるのか、とても興味深かったです。
彼らの愛と国を守る気概は、周りのものを納得させるには十分なもので、素晴らしい結末に感動を覚えました。
そして、幾つかの外伝では可愛らしいエピソード、また目を背けたくなるエピソードと色々あり、それは知りたくなかったなと思う事も、知って良かった事もあります。
何より、タタラ達が去り、新たな国を目指し各地のトップが揉めてまとまらない話に驚愕でした。一つのまとまった国を目指して闘って来たはずなのでは?何の為に、揚羽は命をかけてタタラを守り、何の為に命を捧げて礎になったのだろうか…罪のない多くの命が奪われたのは、何だったのか…もう、言葉になりませんでした。運命のたった一人の女の為に生きた揚羽は、見事な生き様でした。タローちゃんも。
辛くて、苦しくて、読むのが辛い時の支えは、ひーちゃんと那智の二人でした。彼らが気持ちをホッコリしてくれて、群竹さんとの絡みが最高に好きでした。お市さんと菊ちゃんの婚礼が見たかったなぁ。
一番オススメは、那智とひーちゃんの外伝で、二人の子供の頃の出会いです。可愛い~。
ちなみに7SEEDSも超オススメです。
いいねしたユーザ20人
レビューをシェアしよう!