このレビューはネタバレを含みます▼
文学作品だよ。giftの時と同様、またこの作家さんの沼からしばらく抜け出せない。君は世界でたった1人の俺の異性って素敵な告白…まさにオメガバースの世界観を象徴する言葉。何で考えつくの。オメガバース界の始祖はこうであってほしいと感じた。言葉選びもさることながら、精神世界の絵画的表現が圧巻。アルファとしてオメガを支配したい自分と、受けを人間的愛情から大切にしたい自分との葛藤の描写が素晴らしい。あと、張りついた笑みから溢れる受けの孤独がひしひしと伝わった。そして、場所がほとんど倉庫の中で時間は1週間くらいの話なのに、壮大なSF映画を観た時みたいにトリップした。オタクな攻めが自分たちの体に起きている異変を知識と文献から紐解いていき、仮説を立てたり名称を付けたりする様はドキドキした。そうだよ、ヒートていうんだよぉ、噛んだら番になるよぉて言いたくなる。それに独特なフェロモンの描き方とそれに惹き付けれる2人の様子がまたすごい。あれは抗えないでしょって思うもん。感無量。続編見たいなぁ。