愛はね、
」のレビュー

愛はね、

樋口美沙緒/小椋ムク

読むのに疲れました...

ネタバレ
2021年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読むのが苦しかったです。俊一に恋愛対象にしてもらえないさみしさから他の男とつきあって相手のことを愛せずに別れては俊一にすがるのを繰り返す望にも、望の気持ちを受け入れられないのにすがってくる望を彼女より優先してしまい時々せがまれるキスに応えてしまう俊一にも感情移入ができなくて途中何度も本を閉じました。なんだか周りがかわいそうで。望のつきあっている相手に俊一の存在を印象づけさせてしまう言動、今度こそは好きになれるかもとつきあって相手が力不足だった感で終わる恋愛パターン、俊一が望に好きになるなと釘をさしつつ優しくしたりキスをして望の気持ちをつなげてしまうところ、それが何度も繰り返されてイライラしました。でも望が俊一に自分の気持ちを伝えられたところあたりからガラッと変わっていったと思います。愛してくれなかったら僕不幸になるよ!って感じだったので、エエーッて思いましたけど。でもそこからやっと望は周りのことが見えてきたように思います。意外なことに望で遊んでいたように見えていた五島がフニャフニャの望に背骨を入れてくれたように思いました。続きでは俊一目線で俊一が内省を深くして望に向き合っていくようですが、個人的には続編はいらないのではと思いました。あとSSでもつけていただけたら十分だったような。最後まで読んでやっとある意味すごい本だなと感じました。愛はね、の答えはありません。読了して思うのは見返りを求めないものなんだよ、といったところでしょうか。できれば愛してくれないと言って逆上したDV男の篠原のスピンオフが読みたいです。需要がないかな...。「スメルズライク~」のスピンオフ「深漂回廊」のように、作者様が彼を題材にしたものを読んでみたいです。
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