白の無言
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白の無言

大竹直子

表題作のみ読了レビュー

ネタバレ
2021年4月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品中時系列で、「しのぶれど」→「貴様と俺」 (しのぶれど番外編)→「白の無言」この単行本は短編集ですが、表題作のみ、麗人25周年記念小冊子vol 5(4月30日まで無料配信)で読みました。
背景にある二二六事件は、被害者側の家族、教育総監だった父親渡辺錠太郎を目の前で殺されたカトリック修道女の渡辺和子さんの手記を読んだことがあります。当時の若者にとっては国を憂うが故、家族にとっては全く謂れのない暴力が強く心に残ってます。それぞれの立場で迎えるこの事件。「しのぶれど」では多少なりとも牧歌的だった軍部が、この作品では転がるようにみな戦時へ向かっていきふたりは時代に巻き込まれ、目を疑う突然の幕切れ、んーできれば会わせてあげたかった、会わせてあげる世界線がほしいです、先生。。。
商業的には正直言ってあまり売れそうもないですが、(ごめんなさい!)この作品を掲載する商業誌の麗人の懐の深さも素晴らしいです。
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