このレビューはネタバレを含みます▼
幼馴染みの使用人(勇)Х同性愛者の社長令息(炳吾)。身分差のある年下攻めです。じわじわと愛が満ちてくるような優しいお話でした。勇は3男で炳吾は次男なので結婚しろという親のプレッシャーもなく穏やかな気持ちで読めました。カバー下の身長の設定で勇が170センチで炳吾が155センチとあって、え?となり、思わず検索してしまいました。17才男子の平均身長が明治時代に157センチで大正時代は160センチとあり、炳吾は子供の頃に病気をして「貧弱で情けない体だろう」という台詞があったのでなるほどそれくらいかなと思いました。大正時代を描くのに苦労されたそうですが、すごくよく調べられたのだと思います。風景や言葉使い、和装と洋装が混じるところなど時代の変革期の雰囲気が伝わってきました。炳吾の過去の恋や勇と父親の関係のエピソードもからめ、しみじみとしたよい作品だと思いました。
2020年11月 総173ページ 修正=見えない構図。