跪いて愛を問う
」のレビュー

跪いて愛を問う

山田ノノノ

跪いて愛を問うのは誰??

ネタバレ
2021年4月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 実は作者さんの前作がそこまでハマらなくて、こちらの作品もちょっと読まず嫌いをしていたんですが、BLアワードやその他ランキングなどにもよく出てくるしレビューも高かったので、試しに購入してみました。お〜なるほど、これは高評価なのも頷ける!もっと早く読めば良かった!Dom/Subユニバースの設定で、献身的なスパダリ系Domの悠生×Subであることを自覚していなかった不憫受けの正己のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計220ページ。SMとDom/Subって違うんですね。初めてDom/Subユニバースのお話を読んだんですが、単なる共依存とも違って、お互いに対する信頼感とか愛情があることが前提で、その上で成り立つ関係というのが二人の関係をより強固にしていてとても良いなと思いました。今まで周りの環境に恵まれていなかった正己が、それでも一人で強く逞しく生きていてそれだけでもジーンとするんですが、悠生と再会して人間らしい生活だとか本当の愛情を知って、今度は二人で生きていくという。この大筋だけ見れば王道なのかもしれないんですが、心情描写が丁寧なので、二人のキャラにずっぽり感情移入できて、最後はとても良い読後感で読了できました。正己の母親やDomの同僚にはモヤモヤさせられましたが、良いスパイスになってたと思います。一つ許せなかったのは雑な修正処理。適当な形で白抜きしただけみたいな修正で、そこはかなり残念でした。
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