遥か遠き家
」のレビュー

遥か遠き家

八田てき

キャラクターがブレる

2021年5月2日
描きたかったこと、伝えたかった感覚というのは凄く伝わってきます。ただ、キャラクターがブレるせいか、最後まで感情移入出来ずに終わりました。アランの父親は熱狂的なキリスト教信者であるなら、暴力的な行為が多すぎるのは矛盾しているような気がします。また、アランがブレブレで、神や父親に対する態度や思いにあまりにも一貫性がなさすぎるようにも感じました。伏線を回収しきれない作品の逆パターンで、先に華麗なラストをきっちり決めているせいで中身に重みを感じません。レビューに『バナナフィッシュ』や『ラムスプリンガの情景』など、自分の推し作品を推されてた方がおすすめなさっていたので購入しましたが、私個人的には両作品の方が重みを感じました。追記するとすれば、この手のアメリカンな作品お好きな方は『ニューヨーク•ニューヨーク』は読んで絶対損はないです。ちなみに八田先生の絵と雰囲気は素晴らしいので自作に期待しています。
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