このレビューはネタバレを含みます▼
小説とか読んでてたまに車酔いしてるみたいに頭ぐるんぐるんすることってあるかと思うんですが、そんな感じでした。アニメ版の四畳半神話体系とかに近い感じでした。(四畳半は小説は普通に読みやすい)。あえて俗っぽく作品解説するとすれば、強靭メンヘラストーカー×繊細キチガイメンヘラ。攻めの三路は愛の戦士だけどだいぶ独り善がりではある。でも友達普通にいるので受けの矢島さえ関わらなければ普通にいい人そう。矢島がなかなかにハードな物件で、思春期の高校生の時に彼に恋に落ちたことが三路のその後に人生を決めた。矢島は愛されたければまず愛さなければならないことを知らない人間だと思う。繊細過ぎるわりに気が違ってるから、そういう人(作中ではドSホイホイって言われてて納得)を惹き付けちゃうんだろう。それがまた矢島にとっては不幸。美青年が口に虫を含んでキスできるもんならしてみろって言ったらソッチの人には正直堪らない挑発だと思う…笑。ガチで精神病院に入院したりしてるけど、そこら辺のカオスは面白かった。突然の当て馬先生とか。三路と矢島もヤバい奴だけどもっとヤバい奴登場して妙にホッとした笑。矢島が滅入ってるうちは苦しいけど、吹っ切れてくると面白いので、始まりほど読後感は悪くないです。三路と矢島の間にあるのが幸せな恋とは思えないけど、それがまた良かった。ギャグテイストで読みやすいけど病んでる時に読むと病みそうです。万人にオススメはしづらいけど、好きな人は好きだと思います。自分は見つけられて良かったと思います。何度も読み返してしまう。何より良かったのは、作者さんが自分に酔ってないところです。終始ギャグに徹しててフラットな感じがとても良いです。