このレビューはネタバレを含みます▼
ずっと気になっていた作品で、カートに入れたり戻していたりを繰り返していたんですが、数カ月前にフォローさせて頂いている方々が立て続けにレビューされていて、それに後押しされてやっと購入しました。本作品は表題作のみ全6話+描き下ろしで合計167ページ。ある日カフェで86万円のコートにコーヒーを溢してしまったことをキッカケに同居することになった、長髪美人な佐藤×図書館員の真理のお話です。私の中では長髪美人=受けというパターンが多くて、美人攻めはそんなに得意ではなくてもっと抵抗あるかなと思ったんですが、この作品の美人攻めは全然問題なく読めました。出会ったばかりの人のところに押し掛けるとか、中性的な恰好をしているとか、一見すると佐藤は自由奔放なんですが、真理との距離を測りながら徐々に距離を縮めていくところは真理より常識人だったのかも。佐藤も真理も良い意味でギャップがあって、その相反する部分がストーリーをより興味深くしていたように思います。最初同居に至る部分はちょっと突発的な感じもしましたが、それに続く心情の変化はとても丁寧に描写されていました。大きな山や谷があるわけではないですが、惹き込まれる雰囲気の作品でした。