獣王陛下と砂かぶりの花嫁
」のレビュー

獣王陛下と砂かぶりの花嫁

小石川あお

最愛最高の愛しい番

ネタバレ
2021年5月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。発売を楽しみに待っていましたー。優しいお伽噺のような、深い深い愛情がぎゅうっと詰まったお話でとっても素敵な作品でした。もふもふの癒し度も最高!
一族の皆との毛色の違いを砂にまみれて隠していた為、砂かぶりと呼ばれていた紅藍。
奴隷商人に殺されそうになった所を雪豹の獣王陛下に助けられ、陛下の運命の番だと城へ迎えられます。この紅藍が番の意味もわからない純粋無垢な狐ちゃんで辛い境遇を生きてきたはずですが、ひたむきで王様の為にと健気に尽くす姿が本当に可愛い。
王様は不器用ながらに紅藍を愛しいと思っている様子が伝わるんですが、その理由が物語の中で丁寧に紐解かれていきます。この始まりとなるお話が本当に胸を打って「運命」だけでは語れない王様の強い想いと深い覚悟に涙が滲みます。
紅藍の王様を慕っている気持ちが愛しい恋心へと変わるのは本当にゆっくりですが、また自覚する様子も可愛い。「食べないの?おおかみさん」の時も思いましたが、作者様本当に獣を描くのがお上手だと思います。気持ちがしっかり表される表情がすごく好き。
王様は獣人の姿が多いんですが、人型の時がこれまた物凄い美形で見ててドキドキします笑 最後の最後でちゃーんと結ばれる所まで描かれてるのも嬉しいとこ。
私的には252Pのページ数以上の満足感が得られたお話で、読後感花マルでした。
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