Life 線上の僕ら
」のレビュー

Life 線上の僕ら

常倉三矢

刮目せよ!漫画の表現とはこういう事だ!

ネタバレ
2021年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ やっすい淚だな〜と言われようが幾度読んでも泣ける。離別や死別に泣けるんじゃなく再会時にブワ〜って来る。何がすごいかって、ソコに焦点を合わせる道筋が用意されていて、チョロい私はまんまとその線上に乗っけられてしまうのだ。何度も感極まらせられるのだ。

だってね、第1話の時点じゃ、なんだコイツら17歳にもなって路上で見立て遊びとかあり得んだろ?って正直バカにしましたよ。
2話〜3話もね、作りや見せ方は上手いんだけど普通なのね展開は。でもめっちゃ伏線張ってあって、それは後から判るんだけど。途中で読み返さざるを得ないようになってる。
◆◆ 4話で文字通り震えたね!!◆◆
ここで究極の「かけがえのない存在への思い」を見せられるとはビックリだよ!!想像できなかったよ!だってそんな深い話じゃないじゃん?って思ってたから気を抜いてた自分の方がバカだったよ。
と同時に、海での独白が何だこの不気味さは??と思っていたのが腑に落ちた。ミスリードさせる為わざわざ路側帯が途切れるとこまでのシーンを挟んでんだよね。これがまたニクイ!
何よりも何よりも、私史上で今作で1番、と言うか全BLマンガの中でも上位に来るスッゴイページがこの4話にあってだね。
西くんの行きずりのベッドシーンだ。
無音の4コマ。バン・バン・バン!と行為を切り取りで見せてて、紙面の占有率が1番上から下に行くほど1/2、その1/2、その1/2となっている。2コマ目の絵が素晴らしいのでこの構成が最大限に活きている。蛙にも見立てられる不自然さなのに、熱量のないエロさだけはあって、それを俯瞰で見せている。なので砂を噛むような気持ちにさせられる。辛くて味気なくて寂しいってさせられる。この先生、他にもいっぱい上手い!と唸るとこがあるけど、私にはこのページが目に焼き付くほど凄い!って思った。マンガの描き方をよくご存知なのだなぁと尊敬の念である。
((と思うのです。チカラ入り過ぎて断定調でごめんね。))
あとは諸々他レビューにある通りです。
とにかくマンガとしての表現とは?と初心に帰って読もう!と思わせて頂けた。昨今いっぱい出てる安易なお淚頂戴モノとは明らかに違う。あ〜感動した!というだけではなく、表現の上手さを楽しんで読んでいただきたい。
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