白椿
」のレビュー

白椿

斑月

耽美な世界

2021年5月26日
『密書でござる~』が面白おかしい作家様。現在、短編値下げ、続編分冊版の一話無料。単行本も発売されました。独特な世界観とその発想は、素晴らしい。密書でござるは、面白いでござる。
作者様を知ったきっかけは、フォロー様のレビューでした。お世話になっております。

この白椿は、江戸を騒がす義賊『鼠』の捕物帖55ページ。緻密な背景画や雪降る町並み、冬に咲き誇る白椿が美しく描かれています。鼠の喜久蔵、同心の九兵衛はどことなく色気を漂わせ、全体から醸し出す雰囲気が、なんとも言えずゾクゾクさせます。
ある屋敷で出会った幼き雪之丞。謎めいた少年との出会いがさらにミステリアスです。屋敷の出来事は夢か現かあやかしか…
同心と鼠の攻防には、秘めた感情が絡み合い、お縄か見過ごすかハラハラ、ドキドキ。面白い!
圧巻は大きな満月を背に、屋根に立つ鼠の姿。美しくてカッコいいです。よっ!鼠小僧!
ハピエンですが、もっと見たい彼らの関係。
続編ないかなぁ。

ちなみに、こちらの作品は『密書でござる!』の単行本にも収録されています。重複にご注意ください。私はやからしてしまいました。
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