たとえばこんな恋のはなし
」のレビュー

たとえばこんな恋のはなし

波真田かもめ

ぜひ、読んで欲しい作品です。

ネタバレ
2021年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。と、言ってもまだ3作品目ですが、何気にタイトルに惹かれてフリマで選んだら、波真田先生でした。素敵なタイトルで好きです。
そして、こちらの作品がノンフィクションだと言う事も、購入して初めて知りました。買って良かったと、心から思います。読後、優しくて温かい気持ちになれました。

過去の失恋に傷つき、ノンケに恋をしてはいけないと、不毛な関係に甘んじていた明良。
ある事で知り合いになった優と新たな関係が始まり…
ひょんな事から同居がスタート。ノンケの優ですが、真っ直ぐに明良に好意を口にするタイプ。そして、彼はいつも明良に対し、どんな時も、どこまでも誠実であろうとするんです。真面目と一言で言ってしまえばそうなんですけど、そこには明良を思いやる優しさがあって、傷つけまいとしようとしていたんでしょうね。ノンケの優なりに、明良との付き合い方を真剣に考えてたのかなと。
ただ、明良にとっては健康な生身の男子。意識する事もあるし、手を払われたら傷つきそうにもなる。
そこをちゃんと、向き合おうとするわけです。
少しずつ、少しずつ、お互いに歩みよって分かち合う二人。もう、ホントに素敵なんです。優し~い気持ちになれるんですよぉ。
でも、現実は甘いだけではなく、家族の問題を考える時が当然やって来る。
優が明良に誠実であろうとしたように、今度は明良が優の幸せを一番に考えるんですよね…涙。
ゲイである事で傷ついてきた明良が、自分の幸せよりも、誰より優の幸せを優先しようとするのが、切なくて、哀しくて、胸がぎゅうっと締め付けられました。涙が溢れて止まりません。

優と交わした約束。

互いに大切にしてきた二人の居場所。

明良を全力で受け止める大きな愛。

幸せに満ち溢れた初めてのセッ*ス。

もう感動しかありません。
ずっと彼らの幸せが続きますように…

巻末に明良のモデルとなったご本人のインタビューが掲載されています。この時で、2017年発行の作品です。今も幸せに暮らしているといいなぁ。そう願います。
いいねしたユーザ14人
レビューをシェアしよう!