不思議な雰囲気を楽しめる方向け





2021年6月28日
初読み作家さんで、絵に惹かれて購入しました。表題作のみ全5話+描き下ろしで合計202ページ。雨の日だけ現れる骨董屋の店長・月路×インテリア会社に努める颯のお話です。雨の日に偶然見つけた骨董屋で、昔壊してしまったはずの祖父の懐中時計を見つけた颯。代金として思い出を差し出す代わりに子供を作ることを要求されて…という展開です。身体から始まったような関係なのにいつの間にか惹かれ合うようになった二人が、お互いのために自分の身の危険も顧みず行動するのがとても良かったです。不思議な雰囲気の店構えや、話すことができる鳥など、今まであまり読んだことのないような不思議な魅力のある作品で、しっかりした画力がまたその魅力を更に高めているように思いました。多分こういう不思議なストーリーでなければ、例えばいつの間にそんなに二人が愛し合うようになったのかとか、颯が色々受け入れすぎとか、月路の正体は何なのかとか、色々ツッコミ所が満載だと思うんです。でもこういうストーリーだからこそ、そういう部分を詳細に明確にしないというのが活きてくるのかなと。例えば有名なト○ロのお話で、何で主人公の少女とその妹だけに見えるのか、とかそういう根本的なことを謎に思わないのと同じ感じ?ということで、そういった細かい部分が気になる方には向かないかもですが、不思議な雰囲気を楽しめる方は是非!

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