夜が明けても
」のレビュー

夜が明けても

まさお三月

朝になっても覚めない夢を

ネタバレ
2021年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 同窓会で飲み過ぎた甲坂卯一郎は、朝目覚めると知らない男と自宅のベッドで寝ていました。どうやら自分が相手の真に「先輩」と言いながらしがみついていったらしいのですが、卯一郎には全く記憶がありませんでした。やたらと懐いてくる真との偶然の再会を経て二人は関係を持ちます。遠い過去の恋人である先輩のことを「忘れていない、それぐらい傷付いている」と指摘してくる真の言葉と存在で、過去の辛い別れを昇華できた卯一郎は真への恋心を自覚するのですが、真は卯一郎に好きだと告げて姿を消してしまいます。
この二人はよくある純情不器用系ではなく、それぞれ不思議ちゃん一歩手前ぐらいにかなり抜けている個所があって、それであっという間にくっついたり、なかなか進展しなかったりするのですが、そこを楽しめるかどうかがこの作品の評価を左右する鍵かと思います。『求めてやまない』の辰巳、『ただ思うことは』の広也に共通する独特の因子です。
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