このレビューはネタバレを含みます▼
また草間先生の世界に引きずりこまれて心を持ってかれました。3カプのお話。やはり表題になっている「明け方に止む雨」が1番好き?というかキました。裁判所の里村書記官の弟が自死したことからお話は始まります。刑事の結城は弟の自死現場にやってきた里村を見て弟のメモを隠します。里村は弟の自死の原因を探ろうとし、仕事のつながりから結城もそれにつきあうという「面倒なことになって」しまいます。「明け方にー」の扉絵でたぶん弟の後ろ姿が描かれているのだと思いますが、里村よりも背が高く「モテ」て、自慢の弟だったんだろうと察せられます。紙の裏表紙では弟が里村の靴を脱がしていて、ググると出てくると思うのですが、なんともいえない感慨が湧きました。もういないのにすごい存在感です。シーモアさんこれも電子に入れていただきたかった!草間先生のお話は登場人物が生きてるというか、そうくるかって予想を越えてきて、真相に近づいた里村の行動が、!ですし、結城の最後の独白は里村を守りたいんだなって、頭の中では賛否両論ですが腑に落ちました。時系列でいうと、このお話が先で「夜更けに花降る」が後です。「夜更けにー」の高天と山田事務官もよかったです。先入観がひっくり返るところが秀逸でした。3カプ目の外国のお話も素敵でした。ジイちゃん一体どういう顛末でヤっちゃったの?って思いましたけど。それぞれ味わい深くてよかったです。
2013年10月 総181ページ 修正=見えない構図、一部白抜き、アウトライン。