シティ・ライツ・バースデイ【電子限定描き下ろし付き】
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シティ・ライツ・バースデイ【電子限定描き下ろし付き】

本郷地下

涙なくして読みないお話

ネタバレ
2021年7月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作のみ278P、読み応えたっぷり。
Ωが痛め付けられるような展開や虐げられるようなオメガバースは苦手ですが、この作品は愛のある優しいお話でした。
αとΩのドラマチックな物語も多いオメガバースで、その他大勢の存在としてあまり光が当たることのないβ。
そんなβ・東馬と、運命の番を探すΩ・まほろ、まほろの運命の番であるαのお話。
明るくて前向きなまほろと優しい東馬のやりとりはいつも温かいのに、いつもどこか切なくて、胸がギュッとなります。
幼少期に出会った運命を信じ一途に探し求めるまほろ、過去の傷を抱えながらもまほろを支えようとする東馬、どちらの真っ直ぐな想いも救われて欲しいと願わずにはいられません。
そこからの後半の展開にはもう、号泣…涙が止まりませんでした。
3人それぞれがそれぞれの性に対し苦悩や葛藤があり、その中で懸命に生きようとするどの想いにも感情移入できてしまい、読み進める度に切なさと涙が込み上げます。
でも、切ないけれどすごく温かい。
最近読んだ中で一番泣いた優しいお話でした。
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