触らないで、抱きしめて
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触らないで、抱きしめて

とても引き込まれました!

ネタバレ
2021年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読みの作者さん。フォローしている方々のレビューが高評価で、読むのを楽しみにしていました。中学生の頃のトラウマから、手袋越しでしか物にも人にも触れられなくなってしまった鷲園と、酔っぱらった鷲園の面倒をみたことで少しずつ仲良くなっていく梅谷のお話。
ともすると、重く暗くなりがちな設定なのに、そうならない場面の切り返しが、すごく良いです。鷲園の純粋な可愛さと、本人曰くの図太さからくる切り返しなので不自然さもなくて、笑っちゃったり、ホッとしたり、ぐいぐい話に引き込まれます。上下巻なのに、あっという間に読み終えてしまいました。その鷲園の可愛さを引き出し、強くさせていく梅谷の優しさと一途な想いが、これまたたまりません。そして、互いの触れたいという気持ちと、触れられない切なさが胸に染みてくるのですが、少しずつ頑張ろうとする鷲園と寄り添う梅谷を全力応援する気持ちでいっぱいになります。でも、一筋縄ではいかない展開…お母さんや後輩ちゃんが、良いアクセントでした。
鷲園が両親に話をした後の「緊張したー!!!」が先に書いた好きな切り返しの一つで、登場人物に人間味を感じられて、より愛着がわきます。
そして、初めてのキスからの初めてのセ ックス…、ここも鷲園の悪いクセに一瞬「フフッ」と微笑まされてからの流れが、ドキドキ感を増します。作者さんの手法(作品のバランス)が好きすぎます。そして、鷲園の涙と抱き寄せる梅谷に、感涙です。迎えた朝…フォローさん仰るように、心を鷲づかみにされました。とても幸せな読後です。
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