夜を走り抜ける
」のレビュー

夜を走り抜ける

湖水きよ/菅野彰

すんごいドラマ

ネタバレ
2021年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作者の菅野彰さんが美術関係のお仕事をされていたとあとがきにありましたが、その分読み応えが半端ありませんでした。
美貌の美術商、晴生と才能あふれる彫刻家、虎一。
偶然の出会いから2人の人生が動き出します。恋愛にもアートにも仕事にも、がんじがらめに絡め取られていく2人。
実の父亡き後、父の友人で美術商の南雲の家に妹と共に引き取られた晴生の人生は南雲の歪んだ愛で暗転。
17才のあの日から、晴生は夜が怖くて眠れない。
2人を巡る資産家たち、家族、追いかけてくる余りにも辛い過去。
虎一、よくまあ晴生を最後まで諦めず男気見せてくれました!
心理描写が丁寧で、2巻かけて2人ようやく結ばれるので満腹中枢は満たされますし、頭だってフル回転ですよ。読み終わってこっちまで走り抜けたみたいにゼーゼーです。
アート好きなら楽しく読めるし、アートに興味なくてもお金持ちの酔狂が興味深く、BL的にも深い愛情に胸打たれます。

重い話を所々笑いで抜いてくれるのでグイグイ読めました。
吹き出しの位置関係がわかりにくくて誰のセリフか分からないところも多かったのですが、原作ありなので仕方ないのかな。
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