19年度ノンフィクション大賞受賞作





イギリスの海辺の街、ゲイタウンで有名なブライトンに住み、底辺地域で保育士をしていた著者が銀行員辞めてダンプカー運転手の仕事を始めたイギリス人旦那さんと結婚して1人息子を育てている現在進行形のノンフィクションエッセー。19年度のノンフィクション大賞受賞作です。
11歳思春期真っ只中の息子さんが元底辺中学校で経験してる1年半の日々を息子さんの目から綴っています。タイトルが意味深で最高。息子さんがノートに書きつけた言葉だそう。
息子さんが何処をどうしたらこんな強くて自分の意思がしっかりしていて他人を思いやれる良い子に育つのかとほんとに不思議に思うくらい。カトリック系小学校で生徒会長をしていたくらい優秀なのに評判のよいカトリック系公立中学校へは進学せず、元底辺校と呼ばれる白人貧困層の子どもが多い元底辺校を見学して面白そうだからと自分で選んで通う、そして雑多な経験を、自分なりに学んで豊かなものに変えてしまう、強さ。正直、この作品中にもあるように私の近所のカトリック公立校はもちろん成績も評判も一番良くて改宗して通わせる親もいるくらいだから、(私立校は年間授業料400万円程なので論外)、よいカトリック公立校に通えるのに子どもの意思を尊重する親も偉いし(私にはできなさそう)、どうしても存在する差別を自分なりに噛み砕いて軽やかに生きていく息子さんがほんとうに素晴らしい。
個人的にもブライトンに住んだことがあるので、大体の地理や治安が悪く白人貧困層に有色人種が差別される雰囲気がわかるし、同じようにイギリスの公立校に息子たちを通わせていて、そろそろ進学を考えなくてはいけない年齢に差し掛かっているし、もはや自分の物語として読んでました。どう私がサポートすれば、著者さんの息子さんのように、自分の息子たちはエンパシーができる、他人の靴を履いてみるように自分とは全く違う立場や意見の人々の気持ちを慮ることができる人に育ってくれるのか、考えさせられました。親の背中を見せてあげるくらいしかできないかな。この国では非白人のマイノリティとして生きる分、学びやすいかもしれません。子どもたちに強く軽やかに生きてほしいと願います。

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