ファンキーヤンキーベイビーくん
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ファンキーヤンキーベイビーくん

ナリ

言葉や理屈より、拳でわかる愛もある…!

2021年7月16日
姫野菊華(ひめのきっか):ヤンキー高校の2年で番長。色白で小柄、パッと見は可憐なDK。だがその実体は、喧嘩じゃ負け知らずの男気のカタマリ。
千秋実朝(ちあきさねとも):金融関係勤務(いわゆる借金の取立屋)。長身でメガネの一見インテリ色男。だがその実体は、胡散臭い笑顔と腕っぷしに自信ありの変態。
これは、主役の二人を筆頭に、男たちが手加減なく殴り合うバトルシーンが痛快で爽快な少年漫画ときどきBL、です。
「喧嘩?殴り合い?野蛮!」と早合点するなかれ。喧嘩する連中イコール理力・知力が低い脳筋と思ってはおられまいか?そうではないのだ。素手で殴り合うということは、ただ己の身一つで相手に真っ向から対峙すること。殴った方も殴られた方と同じほどのダメージをその拳に受ける。だから全力でぶつかり合うそのぶつかり方で、自分そして相手がどんな人間であるかを誤魔化しようもなくさらし合い丸ごと受け入れることになる。まさに言語化する以前に "身を以って知る" 境地、「我と汝」なのだ。「対話」なのだ。
あぁ、彼らのバトルシーンを見ていると幽☆遊☆白書やHUNTER×HUNTER、BLEACHに胸を熱くしていた時代を思い出す…!
菊華の友人のイケメンず・高久潤平(たかひさじゅんぺい)と井関瞳悟(いせきとうご)、美形な担任教師の茅根(かやね)、先代番長の松久保(まつくぼ)、山園学園理事の甥っこ・"坊っちゃん"こと山園優(やまぞのすぐる)など、エピソードに事欠かなさげな美味しいキャラが揃い踏みで、もっと彼らの話をたくさん読みたい…!
そしてバトルが激しいほど一口が激甘に感じる、あのシーン。相手を好きすぎると却って相手の気持ちを読み損なうリアル。でも、人が誰にでも100%本音を言ってると思うなよ、千秋~(苦笑)。
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