じわじわと温かい





2021年7月23日
大学時代の恋人と別れて10年。亡くなった母への辛い想いと共に、ずっと心の中に棲みついて忘れることができなかったミチ。突然、仕事で再会し、10年間止まった時間が動き始めるところから物語がスタートします。読み始めから引き込まれて、ワクワクした気持ちになりました。見栄えもよく、大企業の役員として人目を惹きつける佳史は、昔と変わらずミチの気持ちを大きく揺さぶります。佳史を忘れたいミチ。ミチを再び得る為に自分を成長させてきた佳史。再会した二人は過去のもつれをほどきながら、今の想いを伝えあっていくというストーリー展開は、特別大事件が起きたりとかするわけではないのですが、飽きるなど皆無、最後までストーリーにしっかり吸い寄せられました。互いへの愛しさや優しさが二人からヒシヒシと伝わってきて、幸せな気持ちになりました。10年たった大人の二人なのに、18歳の頃が浮かぶような内面の一途さ必死さが飛び出す二人共、可愛らしかったです。

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