スパダリ is DEAD
」のレビュー

スパダリ is DEAD

さがの

お尻のポテンシャルが気になる41歳厄年男(笑

ネタバレ
2021年7月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビュータイトルに笑えるマーク付けていますが、この作品、とても深いなぁと思いました。
さがの先生作品は5冊目で、今まで読んだものはコメディ色が強くて、それはそれで面白くてハマったのですが、こちらは少しテイストが違っています。「プッ」っと笑える作者さんの持ち味が散りばめられていながら、結構「ドキッ」とさせられたり、気付かされたり、1冊で色々美味しいと言った感じで、すごく良かったです。
太雄が洋介に惚れた理由の回顧とか、あのゲロ洗い流し場面にそんな感情を抱いていたのかと思うと、やられた感でいっぱいです。
大手商社課長だった洋介は、41歳男の厄年の年に、シェアハウス投資で巨額のローンを抱え、彼女を後輩に寝取られ、どん底状態。シェアハウス投資の時、見ず知らずながら忠告してくれた賃貸経営コンサルの太雄と再会し、再建のためになりふり構わず太雄を頼ります。それが先述のゲロ洗い流し場面。
プライドが高く、値踏みアイ(目)で序列を付け、ギブアンドテイクでしか人と付き合ってこなかった洋介と、優しくて有能でギブアンドギブに喜びを感じる太雄という、生き方真逆な2人のお話で、そこには、登場人物たちの気付きと変化を共有していく過程があり、一読者として共感できます。
太雄と妹の姫英は、それぞれにゲイとレズビアンで、あまりセクシュアルなことに頓着のない洋介は、地雷を踏みまくる思考の持ち主なのですが、その洋介に対する太雄の言葉掛けが、もう、優しすぎて染みます。事柄にもよりますが、「そんなことも知らないの」とか言われたら、自分に非があるとしても傷つきます。知らなかったことを責めずに認めてもらってから教えてもらえる方が、断然「ちゃんと知ろう」って思えます。太雄の優しさには私自身救われる気がします。
と、硬いことを書いてしましたが、ストーリーの雰囲気はちっとも硬くないです!面白いです!エチもあります!さがの先生作品の中でも特に好きです!(7/29までセール)
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