ジョーク・スタート・ルームメイト(分冊版)
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ジョーク・スタート・ルームメイト(分冊版)

くらのね吉

"好き"を知らない野間に、試練の予感が…

ネタバレ
2021年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ *2021/07現在 5話まで*

5話までは、これから野間(のま)に起きる試練の前触れのように感じられました。
野間はこれまで人を好きになったことが多分ない人で、だから他人が自分に寄せる"好き"という気持ちも今は理解できていない 。
なぜそう思うか…例えばこれまで野間の恋愛が長続きしてこなかった理由は明確には描かれていません。が、他ならぬ "野間目線"で進んでいるお話の中で "描かれていない" のは、"野間自身が分かっていない(知らない/考えようとしない)から描かれない" のでは?と思うのです。もし分かっていれば1コマ目の「あなたには僕より相応しい人がいると思う」という言葉は「あなたからは好きだという気持ちが感じられない」という時の常套句の一つだと気づきそうですよね…。
「相良(さがら)の気持ちが分かりにくい」というコメントが散見されるのも同じ理由で、"野間が相良の気持ちを分かっていないから描かれていない"、だから読み手に伝わらない/伝わりにくいのでは…と思います。
実際には1話目だけでも相良の気持ちは作者が暗示してくれている気もします。例えば相良が野間の誕生日を覚えていたこと、野間の転職に合わせ彼の職場に近い物件に引っ越したこと、冗談めかしたポーズでルームシェアを提案したこと、相良自身は他に恋愛相手を作ろうともしないこと…等々、野間の "面倒くさがりで流されやすい" 性質を読んだ上で野間の外堀を埋め、取り込んでいく…なかなかの策士だと思いました(もっとも相良なりに必死なのかも知れませんが)。
人の"好き"を理解できるためには自分も人を好きにならねばならない(逆もまた真)。両思いになるには、野間が自分を理解し相良を理解できるよう色々変わる必要がありそうです。
とは言えあくまで個人的予想にすぎず、日常的関係の描写のまま終わるのかも知れませんが。
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