寄宿舎の黒猫は夜をしらない
」のレビュー

寄宿舎の黒猫は夜をしらない

鯛野ニッケ

外界から閉ざされた全寮制スクールで…

ネタバレ
2021年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 世界中から集められた良家の子息が通う全寮制の学校。北欧の山上を思わせる森に佇むスクールの様子はまるで〇リー・ポッターの魔法魔術学校のよう。
その、雪に閉ざされ外界から隔たれた「密室」で、あるとき一人の学生が吸血鬼に咬まれたらしい…という騒ぎが起きて――…というサスペンスな序盤から一気に惹き込まれました。
主人公のユキくんだけが日本人であとは皆イケメン外国人生徒&寮監の先生。〇リポタの学校を男子校にしたみたいな雰囲気です。
「学園ヒエラルキーの頂点に君臨するヘッドボーイ×簡単に靡かない影のある子」という、まあよく見かける設定ではありますが、ホラー要素も吸血鬼という人外ならではの悲恋要素もあって深いところで楽しませていただきました。ストーリーは満点。あと悲恋といっても最後はハピエン(その後の甘々もあり)なので安心して読めます(笑)
主人公カップルもいいけど仲間の同級生カップルも好きで、吸血鬼の牙がもたらす特殊な効能の切なさにキュンキュンしながら応援していました。長期連載の苦労もおありだったとのことですが、この作品に出会えて本当に感謝しています。
普段ツンケンしたキャラのユキくん(でも言い過ぎたときはちゃんと謝れる子)がジーンの牙と愛でとろとろになるところが可愛いすぎるので、続編があったらいいなぁ…と秘かに期待しています。お互い「ごめんね」って思いながら重ねていく行為が切なくてえっちで尊くて、大好きです。
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