やたもも
」のレビュー

やたもも

はらだ

色々キツイけど最後まで完走した方がいい本

2021年8月12日
完走できるのか?アタシは・・・。と、思いながら読み始めました。
1巻は特に序盤、どうしてなのか、なぜモモはこんなにも下品でみすぼらしいのだ?そして一番ついていけなかったのがヤタくんがモモを溺愛していること。
特殊な趣味をしているわけでもないし、いたって絶倫な好青年wって事だけ。
モモじゃなくてもいいじゃん。って普通に思ってしまったよ。
でも読み進めていくうちに、なんだかどんどん引き込まれてモモが愛おしく見えてきちゃうから不思議!あれ~アタシもヤタくん側?(笑)何度も読み返して、あぁ~モモは弱くて強くてしなやかでしたたかだから愛おしいんだな。泣かせたくないんだな~って気づきました。
2巻は本当にきつかった。色々明らかになってきてモモのこと愛おしくなってるから余計きつかった。救いはヤタくんが母性の人であることとお隣さんの栗ちゃんが誠実でしっかりものを見る人であることでした。この二人がいなかったらこの巻、途中棄権していたかもなぁ。モモが自分でマヒしてるって言ってるけど、麻痺させないと壊れちゃうものね。その麻痺がとれて人らしい感覚が戻るのは本当に怖かっただろうなぁと思って、レビュー書いててもまた涙出ちゃうわ。
3巻は人らしい生き方ができるようになってモモが心なしかふっくらして可愛くなってるし、自分(母親)と向き合えるようになってようやく地に足がついてきたのかなと。モモには須田も言ってるけどヤタくんくらいの愛情が溢れてこぼれてどうしようもない人くらいでちょうどいいのよね。一回も愛情満タンになったことないんだから。そして、モモの告白シーンはまたも私の涙腺を崩壊させましたよ。3巻落ち着いて読んでたのに~(笑)

3巻までたどり着いてフルマラソン走破した気分。しっかり読み終えて爽快です。
地雷も山ほど仕込まれているし、好き嫌いが分かれてしまう本でしょうけれども、もしも、モモみたいな子を道端で、公園のトイレで見かけたとして。自分ならどうするんだろう。ヤタくんの様にはならないけど、みなかったことにする?それが一番楽だから?と目をそらさずに読んでみてほしい気もします。
いや、でもほんとキツイから苦手な人はお勧めできないかな。

※児童に対する性暴力など、暴力的なシーンが含まれますのでご注意を。
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