ジェラシー[コミックス版]
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ジェラシー[コミックス版]

スカーレット・ベリ子

究極の愛

ネタバレ
2021年8月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 胸が痛い。そして最後まで読みきった後の、言葉に表せないこの感動。最終巻は、涙が次々溢れて止まりませんでした。喉の奥がギュウっと締め付けられて、しばらくは放心状態で、何をどう書いていいのかわかりませんでした。本当に読んで良かったです。

『四代目~』からは想像しづらい卯一の孤独感。好き放題に、自分の感情に従って明虎を求めてる卯一でしたが、ただひたすら愛を求めて孤独を埋めたかったのだと思うと、明虎から身を隠したあの最終巻は、堪らなく切なかった。卯一なりの愛なのだと。
明虎も自分の立場はあれど、唯一執着した卯一へのどうしようもない想い。松見に対する贖罪のような気持ちで、あらゆる拘りを捨てていた明虎の心の穴を埋めるかのように卯一を求めたのも、切なさが滲みます。
だけど、その影で気丈に振る舞った麻巳さん。極道の妻として、それなりの覚悟を持っていたのだとしても、女として、妻として、母親として、耐え難い事があるにも関わらず、彼女はずっと強くて輝いていました。誰よりカッコよくて美しい。最期に愛する明虎の腕の中、彼女は幸せだったんですね。あぁ、ダメだ。また涙が…
タイトルの『ジェラシー』全部通して見えて来たものが繋がって、ベリ子先生の素晴らしいストーリー展開に拍手喝采です。浅生田の想い、松見の苦しみ、それぞれの抱えるものがそこにあって、救いに変わるんですよ。あぁ、ベリ子先生に感服です。

27年の想いは色褪せる事なく、求め続けたものが重なりあったラストにまた涙。ようやく幸せに手が届いたなら、もう離れる事はないですね。麻巳さんの分まで末長く、幸せでいて欲しいと願わずにはいられませんでした。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
もう一度、『四代目~』を読み返したら、また違った印象で読めるかもしれません。
そして、沢山の方にこの作品を読んでもらいたいと思いました。15日まで1巻無料で、2~4巻がセール中です。
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