ダズリン スマイリードッグ
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ダズリン スマイリードッグ

酒渼ゆづ子

続編希望です!

ネタバレ
2021年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公達はもちろんのこと、楽君のお母さんの想いにも強く共感しました。私が幼い子を持つ母になり見る視点が増えたからでしょうか。楽君の幼少期、公園での他のお母さんの言葉、雰囲気。楽君が宗一君の家を出てバイトをするもクビになるその過程。生きているとどうしても要所要所で他者と違う自分を意識し心のどこかに劣等感や優越感、罪悪感が生まれてしまうことはよくあります。多分あらゆる場面で多くの人は誰かを傷つけようとして振る舞うわけではないから、身も蓋もなく言ってしまえば他者の言動に勝手に傷つき狼狽え現実に打ちひしがれているだけともとれるかと思います。いじめや悪意が無ければの話です。人は人自分は自分と心はそう簡単に割り切ってくれるものではありません。「ありのままで」綺麗な言葉ですが人は変わっていかなければならない、良い方向に。学び挫折し繰り返し立ち上がって、自分自身を深く深く見つめることでわかります。他者を変えることはできないかもしれないが自分自身が変わることはできる。主人公2人は最終的に相手に変化を望むのではなく自分自身が変わることで新たな視点に立つことができたのではないでしょうか。その過程を時に切なく人によっては痛々しく、そして瑞々しく描かれた作品だと思います
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