おかえりさんかく
」のレビュー

おかえりさんかく

早寝電灯

園田さんの幸せを願って

ネタバレ
2021年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。独特な世界観をお持ちの先生の作品がハマります。今回は、うーん…うーん…と少し唸ってしまうんですよ。不器用な恋心がすれ違って、別れてしまった元恋人同士・紘記と丈。この二人の間に紘記の喫茶店の客・園田が絡んだトライアングルです。どんな展開が繰り広げられるのか、不安混じりでドキドキしながら読んでました。
訳ありな二人のやり取りを感じ取って、紘記の心に不躾に入り込んで来る園田が苦手でした。最初は。
終わったはずの恋だとしても、スッキリとしていない紘記の姿を見れば、空気を読むのが優しさだと思うのです。触れて欲しくない傷のかさぶたを、無理やり剥がそうとしている気分です。後になって、園田には園田の迷いや不安と同時に、自分の気持ちを確かめたかったのだと思うと、少しわかった気がします。
紘記の心情を見ても、丈の心情を見ても、互いに嫌いで別れたワケではないから、十分気持ちは残ってるのは目に見えてわかるので、そこに園田を絡ませてどう導いていくのか。
てか、元々別れる必要があったのか?って話なんですけど…紘記が丈の気持ちに自信を持てなくて、別れを告げたようですが、逃げる前に向き合うべきだったんじゃないかな…嫌われるのが怖い気持ちはわかりますが、同じ離れてしまうなら、何故向き合わなかったんだろうと…そんなに丈は不安にさせたのか疑問で、自分で拗らせてただけのように見えました。丈も、何故別れを受け入れたのか…追い求めるほど好きなら、何故手を離してしまったんだろう…
そう考えると、巻き込まれただけの園田が気の毒だなぁ、と思ってしまいました。そして、最後になんで幸せな二人と園田を再会させたんだろう?
読み終えて、モヤモヤ感が残り、とにもかくにも園田の幸せを願います。うーん…
いいねしたユーザ22人
レビューをシェアしよう!