ニューヨーク・ニューヨーク
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ニューヨーク・ニューヨーク

羅川真里茂

1組のゲイCPの生涯を描く傑作

ネタバレ
2021年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォローさんのレビューでこの作品の存在は以前から知っていたんですが、どういう類いのストーリーかは分かっていたので、心身共に元気な時に読もうと思っていました。80年代のニューヨークで出会ったゲイCPのお話。ゲイへの差別や偏見が強い、そんな時代に警察官のケインとカフェ店員のメルが出会います。ゲイの息子を受け入れられないケインの母親や、ゲイに対してあからさまに嫌悪感を示す風潮。更にはメルの生い立ちが苛酷過ぎて、読んでてツラく感じる場面が多いです。これに追い討ちをかけるように、2巻になるとサスペンス要素も加わってメルに不幸のオンパレード。ツラい…。途中読んでてしんどいなと思いましたが、最終話を読めたことで全て報われた気がします。最初は自分勝手だと思っていたケインが、心の成長と共にホントにカッコよくなっていきます。川に落ちそうな二人の、「カモン、メル」にぐぐっときましたー(涙)。二人の後半生は幸せに見えました(涙)。エリカの存在にまた込み上げるものが…。読むまでには随分時間がかかって躊躇してましたが、読めて良かったです。うるっと心に響く作品に出会えたことに、そして教えていただいたフォローさん方に感謝です。これはそんじょそこらの作品とは違う、重厚なストーリーの傑作だと思うので是非読んでいただきたいなと思います。
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