初恋、カタルシス。
」のレビュー

初恋、カタルシス。

鳩川ぬこ

素晴らしい作品!笑いと感動の涙が一気に!

2021年8月30日
こういうクセシャリティをテーマにした作品を読む時って、実は凄く勇気が要るというか、僕なりに覚悟を決めないと読めなくて。(僕はノンセクシャルではないですが)どうしても自分の場合と重ねて見てしまうというか、無意識に体が強張って読んでる間も動悸とかしちゃうんですが、この作品もドキドキしながら読みました。はは。でも、作風はとてもコミカルで気分は落ちないし、唐木田さんのいっきくんへの言葉には感極まってしまって号泣してしまいました。ところどころ、サブカル要素も含まれていて最高です。
セクシャルオリエンテーションと言っても、人の数だけ存在していてそれぞれ色々ですし、いっきくんの様なノンセクシャルも一括りに一般化は絶対に出来ませんが、唐木田さんといっきくんという1組のカップルの愛溢れる物語がこの一冊に描かれているんだなあと思うと、心がじんとします。はあ、本当に素敵なラブストーリーだった。
ノンセクシャルのいっきくんを奇異な存在として描写していないところもとても好印象でした。「恋をしている」という、ただそれだけの事。2人の恋を2人自身が成熟させたいと願っているなら、お互いの努力やある程度の妥協って不可欠なんだと思います。
この作品が処女作というのはびっくりですね。ぬこ先生のユーモアのセンスや画力に脱帽です。いっきくんがめちゃくちゃ可愛かった〜。唐木田さんはバチクソ面白いし最高に優しい。こういう作品を読む時はやっぱりドキドキしてしまいますが、本当に読んで良かったです。大好きな一冊が増えました!
セクシャリティに関する作品って沢山ありますが(本棚に未読作品が溜まってます)、僕にとっては心して読まないといけないのでなかなか手を付けられないです…敏感にならず動揺しないで済むならもっと気軽に読みたいのですが(すみません私的な事で)。なるほど名作なんだろうな〜と、皆さんのレビューを拝見してそう思ってます。
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