秘め婿【単行本版】
」のレビュー

秘め婿【単行本版】

芹澤知

美しいーーーーーっ

ネタバレ
2021年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いとなりました。『グレープフルーツムーン』の作者様だったとは…あまりハマらなかったので、同じ作者様とは気づかずビックリしました。前作は良い評価にならず、床に頭がめり込むくらい土下座です(泣)
さて、こちらはフォロー様方が次々とレビューアップされていたので気になっていました。すごく良かったです。圧巻の画力は素晴らしく、建物や道具などの背景画は、ほんとにその時代のようで、参考文献の数々に作者様の並々ならぬ努力が伺えました。きっと熱心に資料を勉強され、時代考証されたのではないかと感服するばかりです。ですが、きちんと型にはめ過ぎず、中指をおっ立てるポーズなど、時代をくずした表現も差し込みながら、楽しく描かれています。時代もの、歴史ものが苦手でも、入り口の門は大きく開け放たれている印象です。ぜひ、分冊の無料版でお試ししてみてはいかがでしょう。
独自の設定で展開される物語の面白さにくぎ付けでした。『女王卑弥呼は男だった』の着眼点がいいですよね。興味深いと思います。
クニを守るための生け贄にされたシキと、幼馴染みのヤマトの恋。引き裂かれた幼馴染みの哀しみや、立場が変わってしまった二人の苦しみが、丁寧に描かれています。どこまでもシキを守り抜きたいヤマトの心が熱い!自分の身は二の次で、シキの側で添い遂げようとするヤマトがカッコ良すぎ~。
人ならざる力を受けて、クニを守るために自分を押し殺すシキも切なくて、人である事と民を守る王である事の葛藤に二人が苦悩するのも、これまた切ないなぁ。でも!ヤマトならシキを守り、支え抜くだろうなと思います。
二人の肌の重なりがとても綺麗で、幸せ噛み締めた二人が素敵でした。
とっても良い物語でした!読んで良かったです!
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