このレビューはネタバレを含みます▼
作者さんの読み切り短編「俺の室が〜」が良かったので、レビューの良かったこちらの作品も購入してみました。ポジティブな元ノンケのDK翔×年上のお花屋さん・半田さんのお話です。前半「ちょっと待ってよ、花屋さん」は翔目線での展開で３話、後半「ちょっと待ってよ、神倉くん」は半田さん目線でこちらも３話、に加えて描き下ろしで合計198ページ。前半では翔は高校３年生で、二人が付き合うまでのエピソードが描かれてます。翔がちょっとチョロい印象ですが、猪突猛進な感じが年相応というか高校らしくて良かった。翔にちょっかいをかけた半田さんですが、実際に翔にぐいぐい来られて怖じ気づいてしまって、その変化がとても丁寧に描かれていたと思います。後半は付き合い始めたその後のエピソードで、翔は大学生に。真っ直ぐにぶつかってくる翔に戸惑う半田さんの揺れる心情描写がとても丁寧で、感情移入しやすかったです。翔がパートナーに求めることを半田さんに伝える場面、最初の頃のちょっと自分本位だった翔と比べて「大人になったなぁ〜」なんて感動してしまいました。物語を通して翔の成長が見れたのも良かったです。鉛筆で描いたようなタッチの絵は、ド正面からのアングルはとても綺麗なんですが、横顔とか別のアングルだとバランスが崩れるのが少し気になってしまいました。が、特に絡みの場面で、擬音とかをほとんど使わないのに絵だけで勢いとか動きが表現できていたのは素晴らしかったです。
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