花丸漫画 恋の分量
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花丸漫画 恋の分量

斑目ヒロ

読み手の受け止め方で印象はガラリと変わる

ネタバレ
2021年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 正直なところ、どう解釈して、どうレビューを書けばいいのか自信ありません(泣)難しい…
友人のいないトバリにとって、初めての友人であり、初めての恋人のミツ。誰しも、好きな人に触れたい触れられたい、肌を重ねて温もりを感じたい、繋がりたいと思う事は、ごくごく自然で当たり前の感情です。ミツがそういう触れ合いを拒絶する真意がわかりません。気持ちが繋がっていれば、それでいいというプラトニックな気持ちも、わからないではないけれど、でもやっぱり不自然で…
もう、そうなると『恋の分量』というよりは、『質』の問題なのではないかと思うのです。お互いが向いてる方向も違うし、好きの度合いが違うというよりかは、好きの質が違いますよね。 ミツの言い方を考えると、トバリが望んだから、セッ*ス【してあげた】この【してあげた】がくせ者で、ミツとトバリの立ってるラインが対等でないような気がしました。極端な話、トバリが自分を好きだから、好きになってあげた、と考えれば、ミツの無機質な行為もしてあげた事になるのかなと。そこに心がないのは明らかな事で、ちょっと怖いです。してあげたから、その代わりに僕の望みを聞けよって…
恋は与えるばかりのものではないし、与えられるばかりのものではない。give and takeのバランスがあってこそ関係は成り立つもの。ミツの中には異質なgive and takeがあるような印象です。ただ、何故トバリにこだわるのか?自分に恋心を持つ者なら、離れて行かないという過信なのか?ん~わからん。
トバリにしても、何故離れられないのか?友達のいないトバリにとって、孤独よりも、ミツの呪縛を選んだのか?とも思ったりしたけど、しっくり来ない…ミツにとっては嫌な行為をさせてしまった事で、心のバランスを失ったから?とか。答えにたどり着かない自分の未熟さよ…ギブアップです。
トバリからの視点で描かれたこの作品に、今度はミツからの視点でanswer編を描いて欲しいです(泣)
続々と皆様が更に深く考察されて探究される姿勢は、頭が下がる思いです。皆様のお考えを元に読み返すと、また違う印象にもなります。十人十色、読み手が違えば、受け止め方も様々であるだろうし、それぞれが持つ印象が違ったとしても、視点が違うのもそれは面白いかなぁと思えました。
皆様の話の中に加えて頂いて、ありがとうございました。
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