両想いなんて冗談じゃない!!
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両想いなんて冗談じゃない!!

カサイウカ

最高に素敵なおじ恋でした。

ネタバレ
2021年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。表紙のゴリゴリなおっさん二人に、迷いに迷って購入しましたが、買って正解!読んで良かったぁ(泣)表紙だけでは判断しちゃいかん。と、いうか表紙で損してそうな気がします。確かにゴリゴリな40代おっさんのラブコメですが、これがまた想像以上に胸にグッと来ます。本当に素敵な恋でした。
高校から25年、親友の芝に片思いしている時造。その想いや熱量は決して冷める事も、枯れる事もなく、ずっと一途に心に抱えたまま。それだけ同じ人を好きでいられる事が、羨ましいほどの純愛です。そして、一生その想いを胸にひた隠したまま、気持ちと一緒に墓に入るつもりの時造が、切な過ぎる…25年の歳月の中、自分の中で色々な事を飲み込んで、腹をくくって片思いを貫き通す時造の覚悟が哀し過ぎて辛いですね…どんな思いで、芝の交際歴を見て来たのだろう…どんな気持ちで芝の結婚式に出席したのだろう…あの時のあの泣き笑いのような表情が、たまらない。もぉ、胸がギュッと締め付けられて痛い。それでも、親友として側にいたい。親友の座までも失くしたくない。これほどの深い愛なんて…はぁ、泣いちゃうじゃない。
時造に完全に感情移入しながら読んでしまうのですが、彼の恋を見守り、話を聞いて背中を押すバイトの宇田くんが、ずーっといいサポートするんです。面白がって聞いてるワケでもなく、ちゃんと見守って心配してる宇田くんがいい!そして二人の間に入って、いいパイプ役になるのがねぇ、楽しい。
一方、時造にあんなに想われてる芝ですが、芝は芝なりに思うところがあって…あぁ、そうなんだ。そういう事ねと驚きと納得と安堵に包まれた私。
四半世紀、共に年を重ねて来たおっさんの恋は、深みがあって男の覚悟がすごい!人生、だてに生きて来たわけじゃあないね。カッコいいです。
展開はラブコメらしく、笑いもしっくり散りばめられていて重くはありません。想いを交わした二人が、なんで素直じゃないのぉ(笑)って感じですが、二人らしいワチャワチャも楽しいですねぇ。
書き下ろしは四年後、カバー下の漫画はさらに四年後の二人。宇田くんも登場で、面白くなってます。
あぁ、切ないおじ恋を堪能して、キュンとしました!めちゃくちゃ良かったぁーーーっ。
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