あんまり傍によらないで。
」のレビュー

あんまり傍によらないで。

星倉ぞぞ

ゆっくりと積み重ねていくピュアな恋

2021年9月24日
「俺だけの専属アルファ」が好きだった作家さん。ゆっくりと少しずつ縮まっていく距離感が焦れったい高校生の可愛い恋のお話で、今回の新刊もとても好きでした!
男前でギター一筋の世古と、訳アリと噂されるお坊ちゃんズの一人の世間知らずで大人しい士郎。放課後居眠りをしていた士郎を世古が起こし、近付くと士郎がぼっ起してしまい・・と、んん?という展開でお話が始まります。

この士郎、素直でぽやんとしている見た目やオドオドしちゃう様子が庇護欲をくすぐる可愛い男の子。ある程度経験はあれど、恋愛感情に疎い世古が士郎に興味を持ち、意地悪したり構いたくなる気持ちがよく分ります。

初めて知る感情を抱いて良くも悪くも無自覚な執着や戸惑いが露わになってくるといった好みの展開で、ふわふわしている士郎が芯の強さを見せてくれるいじらしい頑張りが良かったです。
お坊ちゃんズのもう一人、士郎の従兄弟の彗もツンツンしつつも心根が優しく、士郎の訳アリの内容を知れば少し過保護キャラなのも理解できるし、お友達との楽しい絡みも大好きでした。
この1冊の中にエチまではないのだけど、初心すぎる初めてのキスの描写にドキドキしながら、世古が士郎の事が可愛くて仕方がないんだろうなと感じる甘さに頬が緩みっぱなしでした。

この作品はpixivで連載されていたお話が纏まったものらしく、R18有料同人誌で卒業後同棲して3年目の二人の番外編も購入して、トロトロエチが読めてとっても良かったのですが、その未来に行き着くまでのまだまだ初心な士郎と世古の絡みが是非読みたいので、単行本での続編を切に願ってます!
いいねしたユーザ15人
レビューをシェアしよう!