このレビューはネタバレを含みます▼
う~ん…独特な世界観のヤマシタ作品ですが、まだまだ私にはハードルが高くて越える事が難しかったです。好き嫌いが分かれるかも?と書きましたが、私が読み取れなかっただけかもしれません。6篇のお話が収録されていて、姉弟愛であったり、家族愛だったりと色々ありますが、全てがハピエンではなくて、モヤモヤした感情が残ってすっきりしないものもあります。ん…難しかったです。
一番始めは姉から見た弟の恋。二人きりの家族で弟を守ってきたお姉さん。弟とその相手である様子が明らかにおかしい。家族だからと言って、簡単に口は挟めないだろうけど、愛するものを傷つける者は許せないよね。引き下がれない怒りを持っていても、弟の立場を守るためには耐えるしかないのだろうか……弟を愚弄した相手もまた自分を守るための暴言だったのかもしれないけど、理解し難いし、怒りだけが残ってしまいました。お姉さんは、どんな時も貴方の味方です。
六人兄弟の長男のお話は、兄の一番の悩みの壁をあっさりと飛び越えたのが家族。素敵な締めくくりでした。
ヤクザの娘と、自分の父親に恋愛感情を持つヤクザのやり取り。間に入って複雑な立場の娘ちゃんが、一番強くてカッコ良かった。
表題作が一番の難関でした。Mである性癖と恋の感情は別のところにある?ただ『好き』という感情だけを伝えればいいのに…
同級生同士の恋。自分たちの恋と性を文学になぞらえて。可愛い二人でした。
バカな男に本気の恋をしてるバカな男の話。嘘で固められた恋人関係を作るくらいなら、当たって砕けろくらいの気持ちで本当に好きな男に最初からぶつかればいいのに…暴力や無理やりはいけない事だけど、哀しみと怒りをぶつけた優しい恋人を責められない気がしました。傷つける事はわかっていながら、優しい人を巻き込んではいけない。卑怯だ。この話モヤモヤしました。
デリ☆ル呼んだら、写真と違うおっさんが来た(笑)最後の話が一番面白かったです。
ヤマシタ作品、なかなか奥深いです。