神様なんか信じない僕らのエデン
」のレビュー

神様なんか信じない僕らのエデン

一ノ瀬ゆま

オメガバース

ネタバレ
2021年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先に某巨大投稿サイトで続編を読んでから購入。

控えめに言って最高。
溢れかえるオメガバースの話の中でも人類初のオメガバースって着眼点が素晴らしい。
上巻は、何も分からないながらも二人で自分達の変化に戸惑いつつお互いの気持ちを深めていくヒートの七日間のうち、最初の三日間の話。
Ωは学校のカースト上位なのにあっさりメスになることを受け入れてたり、αの強気な「開けるんだ」って命令に逆らえずに鍵を開けてしまったりってのが、まさに本能には逆らえないって感じが出てて良かったです。

下巻は後半の四日間の話。
Ωが何となく付き合った女の子に嫉妬して支配欲が芽生えたαが、自分の気持ちに戸惑って葛藤する。
この頃にはお互い相手を好きになってるのに、相手を気遣いすぎて伝えられない。
途中、Ωの考えてることがまるで口に出してるかの如く伝わってるのに、どうして好きって気持ちは伝わらなかったのかな~?
初めてのヒートが終わる直前の二人の気持ちの変動への戸惑いも良かった。
ヒート中は互いを求めるのに夢中だったのに、それが覚めてくる。
何もかも初めてだから、どうしたらいいのか分からない。
戻れるわけ無いのに、それが分からず元のクラスメイトに戻るのが嬉しくもあり寂しくもあったり。
ヒートが何故来るのかに思い至ったαが相手の妊娠を疑うシーンが可愛かった。
本気で女扱いされて、それはもう人間じゃないんじゃ、と不安になるΩ。
それでも守るよ、と言われて想いが溢れそうになるΩ、でもやっぱり伝えられない。
籠っていた倉庫を出たあと、お互い気持ちを通わせあってハピエン!
末長くお幸せに!って結末でした。
上巻の初めは、αの方が受けっぽい感じだったのに、最後はしっかり雄になってて素敵でした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!