このレビューはネタバレを含みます▼
シーモア島で「読まず嫌いをしていたけど読んだら凄い良かった作品」について尋ねた時に、こちらの作者さんの別作品をお勧めして頂いて、ちょっと覗いて見たら結構好きな絵柄かも!ということで、お勧め頂いた作品は複数巻あったのでとりあえず1巻完結のこちらからお試しにと購入してみました。本作品は、短編3つが入って合計181ページ。1つ目と2つ目のお話は、別CPのお話ですが登場人物の勤務先(裁判所)が同じなのでお話自体は繋がったような感じでした。まず1話目は裁判所勤務の山田事務官とアパートの隣人で調理師の高天さんのお話。直接的な描写はないですが、山田さんが受けかな。短編なので好意を持った経緯とかはかなり端折られてます。お互いを好きになる経緯をがっつり知りたい人には向かないかもですが、あぁ元々好意があったんだなと自分でベースの部分を補える人は楽しんで読めるかと思います。2話目は警察官の結城さん×裁判所の里村書記官のお話。弟の自/殺の真相を知った里村さんが、男同士での行為ができるかどうかが弟の死に結びつかないことを証明するために、結城さんに抱いて欲しいと迫る場面は、結局自分を罰するためだった?その辺りがちょっと分かりにくかったかも。3話目はガラッと変わって、農場主の息子・ジョゼ×人殺しの孫・アーサーのお話。偏見を持たず自分の中身をきちんと見てくれるジョゼに、アーサーは救われたんだろうなぁ。逃避行という形になってしまったけれど、少なくともあとがきでポールとの繋がりを残してくれて良かったです。絵柄は少しガサガサした感じなんですが、雰囲気がありました。作者さんの他の作品も折を見て集めていきたいと思います。