このレビューはネタバレを含みます▼
幼馴染である拾は、昔から気に入ったものは何でもタケと共有してきました。きれいなもの、おいしいもの、大好きなものをタケと共有したいという拾は、付き合う相手もタケと共有しようとします。今まで付き合ってきた女の子達とは相手に拒否されたり続かなかったりで終わっていたのですが、ある日拾は同窓会で再会したミネと関係を持ち、タケともその関係を共有しようとします。友達も無く高校も中退したミネにとって、今も昔も変わらず天真爛漫に接してくる拾は唯一無二の存在であり、それだけに拾の特別であるタケを好きになれません。一方タケは、拾の喜ぶことが嬉しく、そこに自分の好き嫌いは無いのでした。やがてミネは、拾とタケに自分が半分こされることに慣れ、タケと二人で拾を半分こすることに心を決めます。タケも、拾に差し出されたミネを半分自分のものにして良いのだと得心します。そして当の拾も、3人の時間を過ごすうちに、タケとミネが自分を抜きにした感情を共有していることに今までに無い感情を覚えるのでした。
ミネの拾への一途で純真な想いが、常識に始まり自分の執われ、タケの心、拾の本音に至るまで、頑ななもの全てを溶かしてゆきます。エロシーンが多く、ミネが可哀想に思える箇所もあるのですが、何故かドロドロとはせず、スカッと終わる不思議な後味の良さでした。