このレビューはネタバレを含みます▼
なんでも屋 荒野朔太郎(27才)×小説家 遠藤告美、いとうつぐみ(35才)。作品内容に記憶障害の青年とあったのでネタバレしてしまいます。この本を読む前にヘルペス脳炎の後遺症で7秒しか記憶の残らない方のドキュメンタリーを見ていて、その方はずっとメモ帳を片手に持って食べたもの食べた時間や会った人や会話の内容を逐一メモして生活していて、1日の終わりにその日の出来事を1枚の紙にまとめるのですが、それを生きた証と言われてました。本を読んだりはできないということで、記憶が無くなるというのはなんて無慈悲なことなのだろうと思いましたが、映像の最後にどんな大変なことがあっても絶対に乗り越えていけると語っておられました。朔太郎はつぐみのことを重荷だと言いますが、それはつぐみを不幸にしてしまうことが辛いのであって、そんな朔太郎のことをつぐみは短編の小説にします。眉村卓先生が余命1年の宣告を受けた妻のために毎日1話ずつショートショートを書き続けた「僕と妻の1778話」を思い出しました。わかりやすい言葉にしなくてもどんなにか愛は伝わっただろうと思います。箱の中に希望は残っていて、共に居るだけで夢のように幸せで、その日々をつぐみが形に残して朔太郎にいつまでも癒しを与えてくれて...もう泣けて泣けて仕方がありませんでした。つぐみの年齢とか3時半で明日の朝ごはん?とか はにゃ?なところはありましたが。フォローさんが小嶺先生が登場する恋愛前夜に触れられていて、なるほどあちらの2冊を先に読むのがいいのですね。これから読もうと思います。ありがとうございました。別のフォローさんのレビューにラノベデビューを決心されたとあり、すごくうれしかったです。ラノベを読むとまたコミックスが新鮮に読めていいんですよね。ラノベのレビューもぜひお願いします。
2014年6月 総237ページ 挿絵あり。