期限切れの初恋【イラスト入り】
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期限切れの初恋【イラスト入り】

木原音瀬/糸井のぞ

ツラい、どの立場でもドン底の気分を味わう

ネタバレ
2021年10月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者買いです。これは、読んでてツラかったなぁ。
出会いは大学のサークルで、一人はいつも仲間の輪の中心にいて可愛い彼女もいる人気者(村上)で、もう一人はそんな人気者の彼を陰からそっと見て想いを募らせている目立たない陰キャ(宇野)。前半が宇野サイドからのお話で、村上のキラキラしてた大学時代と社会人になってからのその変貌ぶり。しばらく会ってなかった村上は、社会に出て挫折と不幸の連続で墜ちるとこまで墜ちてしまいます。そんなドン底から救い上げたのが宇野。そしてなし崩し的に体の関係を持つようになったけれど…。後半は村上サイドからのお話。村上の胸中が語られるにつれ、宇野のことを思うとツラくてツラくて…。村上ってなんて身勝手で自己中なんだと憤ってしまいます。宇野の優しさに漬け込んで、寂しくてツラいときだけ宇野にすがるって何?「愛せないかもしれないけど、傍にいて」ってこれ酷くないですか?あ~、でもこれが村上の弱さでもあり、それを包み隠さずさらけ出せるのが宇野の前だけってことなんですよねぇ…。一応、ハッピーエンド?宇野は変わらないと思うけど、村上はまだ分からんなぁ。人間の狡さとか弱さも含めて書かれた、心揺さぶられる作品です。これ、(恐らく小説の前半部分まで)コミカライズされてるけど、読むのはどうしようかなぁ。
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