思慮に欠けると言うのは、罪なんじゃないだろうか。
コミカライズを先に読み、あ〜絶対に好きな作品だと確信。即、こちら小説を読みました。
まず、前半のコミカライズ版の違和感のなさ、再現率の高さが素晴らしかった。
小説も宇野目線で綴られる前半。宇野の中で温められたドライフラワーの様な初恋。ひとたび水を含めば悲しい程に色づいてしまう。
(実際そんなことをしても色づきはしないけど)
ひたすらに村上の微笑みや健やかさを願い、期待したくないと必死で抗う様にびりびりと指先が痛みほど切なかった。
後半、村上サイドのお話。
村上と言う男を嫌という程味わうターン。びっくりする程人間の弱さを体現しているのだ。感情に素直すぎやしないか?人間臭いのではなく思慮が足りないのだ。
村上の周りの友達と言う人々もなんと無責任で己の感情が正しいと声高に訴えるのだろう。
ひとたび弱さを見せればサッと引いてゆくのだろうに...。
村上にひとつも良いところがみつからない。ただ顔が良くて明るくて調子がいいだけでは無いのか?
なぜ宇野は村上が好きなのだろう。
でも、そういうものなのだ。
人に恋するのは条件が揃ったからではなく、落ちるのだもの。
あー。
ものすごく苦しかった!
けど、たまらなく好きだ。
もやもや霞がスッキリ晴れることがない作品に取り込まれてしまった。