よなよなもしもし
」のレビュー

よなよなもしもし

丸顔めめ

短編ならではの含みのある終わり方が◎

2021年10月24日
表題作が2話+描き下ろし、その他に短編が5作(各1話ずつ)収録されて合計198ページ。作者さんの初コミックスとのことですが、全作品ともとてもユニークで面白い切り口のお話ばかりでした。中でも、他の皆さんもレビューで書かれていましたが表題作がやっぱり一番良かったかな。電話痴漢がきっかけで、自己肯定感が低かった受けが攻めに溺愛されながら少しずつ変わっていくという。痴漢していた人とばったり出会うというのはまあ確かに出来過ぎた偶然ではありますが、このリアルの出会いがないと先に進めないので良しといて。「電話の声」というのも面白い切り口だったと思います。他にも、BLゲームのお話やDKの匂いのお話など、ちょっとミステリアスで不思議な世界観のお話ばかりでした。短編だからページ数は少ないんですが、それぞれのお話の含みのある終わり方が、ページ数が少ないからこそ余計に上手く活かされていて、まさに短編ならではの醍醐味という感じでした。絵柄はちょっと癖のある感じですが、ストーリーの雰囲気に合っていたと思います。個人的に好みの絵柄ではなかったですが、読み進めるうちに癖のあるタッチは全く気にならなくなっていました。個性的な短編集を探している方はぜひ試してみてほしいです。
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